俳優・中村敦夫78歳の挑戦(その1) 舞台から「原発」問う via 毎日新聞

黒ずくめの男が、線量計をかざしながら舞台に現れた。放射線に反応すると鳴る「ピー、ピー」という不快な音が響き渡る。

 俳優の中村敦夫さん(78)が自ら台本を書いて演じる朗読劇「線量計が鳴る」は、福島県双葉町で生まれ東京電力福島第1原発で配管技師として働き、原発事故で全てを失う男の物語だ。戦中戦後の少年期、東京から疎開して福島県平市(現いわき市)で過ごした中村さん。この一人芝居を方言を交えて語りきる。

 「この話すんのは、本当につれえわあ。でもなあ、どうやったって現実からは逃げられねえ。双葉町で生まれ育った俺が、こんたら目に遭うのは、運命なんだっぺが」

 2016年11月の福島県喜多方市を皮切りに、公演は全国各地で既に33回に及ぶ。今年も10月まで日程が埋まっている。

(略)

昨年6月の第6回公演はいわき市であり、小中学校時代の同級生らも駆け付けた。劇中、「死ねと言われれば死ぬ。そういう日本人にはなりたくねえんだ」と決めぜりふを放つと、観客席から「そうだ!」と声が飛んだ。

 中村さんを突き動かすもの。それは原発事故の責任を誰も取らず、なかったことにしようとする政治や「原子力ムラ」への怒りだ。 <取材・文 沢田石洋史>

全文は俳優・中村敦夫78歳の挑戦(その1) 舞台から「原発」問う

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