「東京の台所」大平一枝さんの新刊2冊を計15名に via 朝日新聞デジタル &

(抜粋)

原爆開発に関わった
科学者たちへのインタビュー

 その夜、お風呂上がりに大平さんは缶ビール片手にソファに座り、テレビのニュース番組を眺めていた……。新刊その1『届かなかった手紙』は、そんな光景から始まります。2016年、オバマ大統領が広島を訪問していた夜のことでした。たまたま替えたチャンネルで、原爆開発「マンハッタン計画」に関わった女性科学者のインタビューをテレビで見たのが、取材のきっかけでした。

「オバマは広島訪問で謝罪する必要はありません。それが戦争というものです。けれども私も体が許すなら、日本に行きたかった」

そんな言葉に興味を持ち、ネットで検索すると、同じその女性科学者、リリー・ホーニグさんの、「私たちはかつて、市民を殺す必要はないと、対日原爆投下反対の署名をしました」と発言していた過去のインタビュー動画を見つけます。

大平さんは、原爆開発学者による反対署名という初めて知る事実に驚くとともに、こんな疑問を抱きます。

「彼女はあの時代に、どんな動機で科学者になり、どんなきっかけで原爆作りに参加し、投下を知ったときどんな気持ちで、今日までどう生きてきたんだろう。あの人にも親がいて、きっと子どももいて、暮らしがある。その真ん中に科学という仕事があり、過去にそれが戦争に使われたことを、どう受け止めているんだろう……」

事実に突き動かされるようにして米国取材に旅だった大平さんは、原爆を開発しながら、直前に日本への投下を強く反対したユダヤ人科学者、レオ・シラードの存在を知り、知られざる科学者らの心の葛藤をたどることに。本書にはその葛藤とともに、高齢の科学者たちを訪ね歩くという、時間との闘いも加わった大平さんのアメリカ取材の様子が、克明に記録されています。

全文は「東京の台所」大平一枝さんの新刊2冊を計15名に

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