安心安全な農作物を東京五輪で提供しよう 福島県が取り組む「GAPチャレンジ」とは via @nifty ニュース

「GAP」という言葉を聞いたことがあるだろうか。衣料品ブランドではなく「Good Agricultural Practice」の略だ。直訳するなら「良い農業のやり方」となるが、農作物の安全や環境保全、生産者の労働環境などにまつわる課題を解決する方法として、農業現場で注目されている。

東日本大震災での原発事故以降、農作物への風評に悩まされてきた福島県ではGAP日本一を目指すため、2017年5月15日に県とJA福島中央会が「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を発表。2018年2月1日には「ふくしま。GAPチャレンジ推進大会」も開催され、県を挙げて積極的にGAPに取り組む姿勢を見せているのだ。

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分かりやすく言えば、「農作物由来の食中毒事故が起きないようにする」「異物を混入させない」「肥料による地下水汚染などを起こさない」「農作業中の死亡事故を起こさない」などを実現するための取り組みがGAPということだ。生産者が果たすべき社会的責任、実践すべき必須事項とも言える。

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GAP認証とは食品業者、小売業者、政府機関などが参加した団体が設定するGAPの条件をクリアし認証されることを指す。日本国内では日本GAP協会等によって「JGAP」「ASIAGAP」が運用されており、各都道府県が独自に定めたGAP(福島県では「FGAP」)も存在する。海外ではバイヤーがGAP認証を求めることが常識になりつつあり、欧米では「GLOBALG.A.P.」、米国には「PrimusGFS」「FDA」などさまざまなGAPやGAPに通ずる認証制度があるようだ。

こうしたGAP認証を取得することは、見えにくかった食品の安全性確保への努力が第三者に評価され、「良い農業をしている」と認められたことになる。福島県としても県産農作物の安全性確保に向けた姿勢を示し、風評払拭をGAP認証によって目指す考えだ。

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「ふくしま。GAPチャレンジ推進大会」で2020年に向けた食文化発信について講演した内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の勝野美江参事官によると、検討会議での試算では主食135トン、野菜類215トン、果実類78トン、肉類128トン、魚介類38トン。この量自体は日本国内で用意できないほどではないのだが、一つ問題がある。

というのも、組織委員会が策定した「持続可能性に配慮した農産物の調達基準」では、食材の安全性確保や環境に配慮した農業活動、作業者の安全性などに配慮し、GAP認証を取得していることが必要条件となっているのだ。参事官も

「調達量はそれほどでもないのですが、GAP認証を取得している生産者に限定すると大幅に不足しており、認証取得を増やす必要があります」

と指摘する。さらに、組織委員会の「飲食提供に係る基本戦略」では、オリンピック・パラリンピックを通して地域性豊かな食文化を発信するとされており、国産の地域特産物を活用したいという狙いもある。そのためにも福島県のようなGAP認証取得を推進する動きは、オリンピック・パラリンピックへの安定した食材提供のための体制整備として期待されるところだ。

「基本戦略には被災地食材を活用したメニューを提供し、高品質で安全な食材を生産できるまで復興した被災地域の姿を発信することも明記されています。『ふくしま。GAPチャレンジ宣言』の取り組みには大きな期待を寄せています」(勝野参事官)

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