過剰演出嫌い、ありのままの福島撮り続け6年 まなざしに祖父の教え via 沖繩タイムス

映画監督 古波津陽さん(44)=東京都出身

福島に生きる人たちが何を考え、どんな話をしているのか。10年計画で福島のドキュメンタリー映画を撮り続け、今年で6年目。東日本大震災の被災者と時間をかけて向き合い、直接聞いたことを観客に伝えている。社会の中で辛酸をなめる人々へのまなざしには、平和・人権運動に生涯をささげた亡き祖父の教えが投影されている。

祖父は「沖縄民権の会」を立ち上げ、本土での大衆運動をけん引した古波津英興さん(1999年に91歳で死去)。亡くなる2年前、一緒に沖縄へ行き、読谷村のチビチリガマや米軍楚辺通信所(通称・象のオリ)などを回った。

観光地ではない沖縄。そこで起きた出来事を生々しく語る祖父。〈その土地の歴史を知り、敬意を持って歩きたい〉。話を聞くにつれ、そんな思いが湧き上がったことを覚えている。

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13年、福島出身の女優、佐藤みゆきさん(33)と出会い、記録映画を撮り始めた。「1年では何も分からない。やるなら10年」。毎年1本ずつ公開する意味を込め、タイトルを「1/10 Fukushimaをきいてみる」に決めた。

視聴者を泣かせたいという過剰な演出を嫌う。映画は、ありのままの福島の人々を映し出す。「効率よく編集してしまうと『情報』しか残らない。言葉を絞り出す迷い、ためらいも伝えたい」。興行ではないと考え、上映会は無料。声が掛かれば全国どこでも赴く。

社会的弱者に寄り添い、民衆の側から権力に向き合う祖父の言葉や生きざまは、今も脳裏に残る。「どこかオジーの影響を受けたのかな」。取材の合間、回想するようにつぶやいた。(東京報道部・西江昭吾)=連載・アクロス沖縄<72>

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問い合わせは、fukushima.ask@gmail.com

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