原発避難者訴訟 群馬弁護団は「怠慢見落とし」批判、損害額算定は評価 via 産経ニュース

東京電力福島第1原発事故で福島県から千葉県へ避難した住民による集団訴訟の千葉地裁判決は22日、東電に賠償を命じる一方、国への請求を棄却、3月の前橋判決とは異なる判断を下した。千葉市で判決を聞いた群馬弁護団は「国と東電の不誠実、怠慢を見落としている」と批判した。同時に、事故により失った「ふるさと」に対する慰謝料を認めるなど、先駆的な司法判断も示された。

前橋判決は「巨大津波の到来は予見可能で、対策をすれば事故は回避できた」とし、東電と国の責任を認め、双方に同等の賠償責任を認めた。2例目となった千葉判決では、予見可能性は認めたものの「対策をとっても事故を回避できなかった可能性がある」とし、国の規制権限の不行使は「著しく合理性を欠くとは認められない」として、国の責任は問わなかった。

この違いを群馬弁護団は批判した。原発事故全国弁護団連絡会(全弁連)代表世話人の米倉勉弁護士も「国の責任が認定されなかったのは一歩後退したといえる、残念だ」としながら「予見可能性自体は認められている」と評価した。

判決で示された、回避策があり、仮に対策をとったとしても事故を防げたかは分からない-という玉虫色の見解には「事実認定に関して(前橋地裁判決と)大きな差はなく、法的評価によって決まったといえる。裁判所によって見解は分かれるだろう。行政に配慮した幅のある判断で、説得力はない」と批判した。

一方、損害額の算定には群馬弁護団も米倉弁護士も「前進」「大きな先例」と評価した。米倉弁護士は、地域コミュニティーを失ったなどとして原告側が求めていた「ふるさと喪失慰謝料」を司法が認めた点を評価。避難生活での精神的損害とは別に賠償を命じた例は「これまでになく、先駆的だ」と強調した。

米倉弁護士は全体の印象として「不思議な判決」としながらも、「これまでの2つの判決にある積極的な部分を評価するべきで、着々と進んでいる」とした。

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