合格急ぐ? 柏崎刈羽審査で規制委“軟化” 田中俊一委員長マスコミ批判も via 産経ニュース

 東京電力が再稼働を目指す新潟県の柏崎刈羽原発6、7号機の審査をめぐり、原子力規制委員会が「合格」への判断を急ごうとしている。7月には東電幹部からの意見聴取で福島第1原発の汚染水処理などをめぐり「主体性がない」と厳しい批判を浴びせたが、8月下旬の2回目聴取では容認姿勢がにじみ、田中俊一委員長は近く合否判断を行う考えを示唆。9月18日で切れる自身の任期中に、合格の道筋をつけたいのではとする観測も出ている。(社会部編集委員 鵜野光博)

文書を「言質」に?

「風評被害の対策について誠意と決意を持って取り組む」「福島の廃炉と柏崎刈羽の安全性向上を両立する」「安全性をおそろかにして経済性を優先する考えは微塵(みじん)もない」…

8月25日、東電が規制委に提出した文書には、小早川智明社長名で東電の「覚悟」が記されていた。ただ、そこに具体策はほとんどなかった。

この文書は、7月10日の意見聴取で規制委が「廃炉に主体的に取り組み、やりきる覚悟と実績を示すことができない事業者に、柏崎刈羽原発の運転をする資格はない」などとする問題意識を提示したものに、東電側が答えたものだ。聴取では廃炉をめぐり、タンクにたまり続けるトリチウム水の海洋放出の問題などに小早川氏らが満足な答えを示せず、田中氏は文書による回答を求めていた。

「この回答は、規制委の判断材料として、(原子炉設置変更)許可申請書と同レベルの位置づけの文書と考えたいが、東電として意見はありますか」

8月30日の意見聴取の冒頭、田中氏は念を押すように小早川氏に問い、「異存ありません」との答えを得た。具体策が文書中にないことは、約1時間の聴取で言及されなかった。

[…]

記者に「もう少し深く考えて」

「トリチウム水の海洋放出などで、具体的な回答は求めないということか」

会見での質問に、田中氏はこう答えた。

「逆に言うと、明確な回答を出したら、世の中大騒ぎになっちゃうでしょう。漁民が排水(海洋放出)を認めないと言っているのに、東電が排水しますと言ったらどうなりますか」

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東電は柏崎刈羽原発で重大事故時の対応拠点となる免震重要棟の耐震性不足を示すデータを3年以上公表していなかったことが今年2月に発覚し、規制委が申請書の総点検と再提出を求めた経緯がある。営業畑を歩んできた小早川氏が6月に社長就任し、文書で覚悟は示したものの、現時点で原子力事業の実績はない。委員長の現地視察にしても、2日間の限られた現地職員との対話で、東電の安全文化をどれだけ感じ取ることができたのか。

[…]

 

全文

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