福島第1原発の廃炉作業 構造物の腐食が最大リスク 東北大教授に聞く via 日本経済新聞

東京電力福島第1原子力発電所の廃炉には30~40年がかかる。地震と津波、水素爆発などで損傷した建物が廃炉作業の終了まで持ちこたえることができるのか。そんな不安を抱く人は多いだろう。東北大学・原子炉廃止措置基盤研究センターでは幅広く工学系研究者の知恵を集めて福島第1原発の構造健全性を予測、必要な補修を行うための研究開発に取り組んでいる。渡辺豊教授(センター長)と前田匡樹教授(副センター長、都市・建築学専攻)、青木孝行特任教授(同センター支援室長)に聞いた。

■地震・海水・高温… 福島第1の劣化要因は複雑

――研究の狙いは

「止める、冷やす、閉じ込めるという原子力安全の基本的な考え方が廃炉作業の間も確実に保証されるようにしたい。止める、冷やす、閉じ込めるという機能を担う構造物や機器が機能を失ったり低下させたりしないよう状況を予測し検査し補修できるようにしたい。安全確保のため必要な機能は何で、機能を脅かす要因は何かを特定していく」

――建物の健全性を考える上で心配な点は?

「損傷を受けたコンクリート構造物の健全性に関しては知見が少ない。福島第1の劣化要因は複雑だ。地震の揺れかもしれないし海水投入で鉄筋がさびているかもしれない。燃料溶融で高温にさらされたり放射線を浴びたりした部分もある。そうした要因でコンクリートの物性がどう変わるのかという点から調べていく必要がある」

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「ただこれから燃料デブリ(核燃料が溶け落ち冷えて固まったもの)取り出しのため格納容器のフタを開けると酸素が入る。さらに作業中は放射能を帯びた粉じん(ダスト)が外に出ないよう、内部の気圧を下げることになるだろう。そうすると外から新鮮な空気が継続的に供給され腐食が進みやすい環境になる。それを見越して腐食抑制の手立てを考えなければならない」

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