つらくて、痛い…福島出身・廣木隆一監督が描く被災後の人々 via シネマトゥデイ

福島県出身の廣木隆一監督が、自身の処女小説を映画化した『彼女の人生は間違いじゃない』の予告編が公開され、『さよなら歌舞伎町』『ヴァイブレータ』で大人たちの衝突や愛を描いてきた廣木監督による“震災後”の物語の一端が映像で映し出された。

 本作のヒロインは、週末は福島から東京へデリヘルのバイトのために行く市役所事務の女性・みゆき(瀧内公美)。みゆきの父(光石研)はパチンコにあけくれ、勤め先のデリヘルの従業員・三浦(高良健吾)は突如店を辞め、みゆきの同僚で市役所勤務の新田(柄本時生)は東京から来た女子大生に「あの日」のことを取材され……震災の爪痕が残る中でそれぞれがもがき、生きていく姿が描かれる。

 予告編は、高速バスで福島から東京に向かうみゆき(瀧内公美)の憂いある横顔からスタート。デリヘルのバイトの時には笑顔を浮かべている彼女は、福島では真逆の暗い顔で過ごしている。パチンコで浪費する父にこみ上げてくる怒りの感情。だがその父も震災で亡くした妻のことが忘れられず、海で「かーちゃん」と叫ぶ人であった。登場人物の誰もが“行き止まりの思い”を抱えながらも進もうとする、観ている者につらさや痛さ、そして温かさを呼び起こさせる映像に仕上がっている。

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