原発被災者の思い 描けない帰還への道via茨木新聞

福島県富岡町からひたちなか市内に家族で避難する佐藤正人さん(48)は、故郷に戻る時期を見いだせずにいる。町は一部地域を除いて4月の住民帰還を目指しているが、佐藤さんは「今すぐに戻る理由が見つからない」。本県で子どもたちの成長を見守り、いずれ町に帰りたい考えだ。

■家族だんらん
年の瀬の昨年12月29日。昔のアルバムを眺める家族の姿に、佐藤さんは目を細めた。

妻、恵子さん(49)、県内の高校に通う三女、愛唯(あい)さん(16)と3人で暮らす同市内のアパートに、都内の大学に通う長女、愛恵(めぐみ)さん(21)が帰省して戻ってきた。

山梨県内の大学に進んだ次女、愛実(まなみ)さん(19)が加わることもあり、「全員そろうと狭くて困る」と恵子さんはうれしそうな表情を見せた。

家族で広げていたのは、愛唯さんが同町で通った幼稚園の卒園アルバム。伸び伸びと遊ぶ愛唯さんの姿があった。

故郷を離れて間もなく6年。佐藤さんは思いを口にする。「少なくとも愛唯がわれわれから離れるまでは、ここにいたい」

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仕事に追われる一方、子どもたちが地域になじめるか心配だったが、学校が親身になって対応してくれた。「困ったことがあれば、いつでも言ってください」。先生の言葉がうれしかった。

日立市内の高校に編入した愛恵さんは「(同級生に)茨城弁を教えてもらった」と当時を振り返る。愛実さん、愛唯さんは北茨城市内の剣道道場に入り、交流の輪を広げた。

「子どもたちは人に恵まれた」。佐藤さんはしみじみと話す。

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