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【68カ月目の福島はいま】外遊び回避は昔話? 「被曝リスク意識したら暮らせない」「子どもは伸び伸び遊ばせたい」~郡山に〝国立〟屋外遊び場がオープン via 民の声新聞

福島県郡山市大槻町の「大槻公園」に5日、国の交付金を活用した屋外遊び場が整備され、地元保育所の子どもたちも参加したオープニングセレモニーが開かれた。当初は屋内遊び場を整備する構想だったが、市長交代で一転。「屋内型では『郡山が危険だ』と誤解される」という思惑も手伝って、屋外型になった。予算獲得に尽力した地元選出代議士が「屋外で伸び伸び運動させたい」と口にすれば、母親らも「被曝リスクを考えたら生活出来ない」と話す。福島第一原発の爆発から5年8カ月。内部被曝を防ぐために屋内で遊ばせるという発想は、もはや過去のものなのだろうか。

【「将来の五輪選手が育つように」】
子どもたちを屋外で遊ばせるという国の「意思」がはっきりと前面に出たセレモニーだった。
「私は〝生みの親〟としてお招きいただいた」とご機嫌だった地元選出の根本匠衆院議員(元復興大臣、自民党)。「図面しか見ていなかったが、なかなか良い施設だ」と絶賛してみせた。「中通りや浜通りには、特有の事情がある。体力の低下が懸念される。子どもたちが伸び伸び運動できる遊び場を作ろうと、100億円の予算を一週間で用意した。それが『子ども元気復活交付金』だ」とあいさつ。自民党の議員らしく、2020年の東京五輪を見据えて「ここから将来のオリンピック選手が育ちますように」と付け加えることも忘れなかった。

(略)

地元、大槻保育所に通う子どもたちが「仲良く遊びます」とオープン宣言を行い、根本議員や品川市長らとテープカット。うねめ太鼓の演奏も披露された。市の認可保育所長会長や大槻小学校長、大槻中学校のPTA会長も来賓として出席。そこにはもはや「屋外の遊び場を整備することの是非」など存在しなかった。そもそもこの遊び場が、被曝リスクから子どもたちを守るために「屋内遊び場」として計画されていたことなど、誰もが忘れてしまっているかのようだった。

(略)

2014年9月の市議会本会議で「施設整備の具体的な内容については、郡山カルチャーパークに雨天時及び冬季にも利用できる屋内運動施設を整備するとともに、大安場史跡公園、大槻公園、旧行健第二小学校跡地には、屋外運動施設を基本とした施設整備の方針を固めたところであります」と構想の転換を打ち出した。
だが、この大転換の陰には、市当局のある思惑が潜んでいた。
「原子力災害に対するマイナスイメージ」
「郡山は危険だから屋内の遊び場を作った」
2014年9月議会にあたって市議らに配られた資料には、屋内遊び場を整備することの〝デメリット〟を示す言葉が並んだ。4回にわたって開かれた検討会で、委員から「屋内施設ばかりを整備することで、対外的に郡山市が被曝の危険性があるかのように間違った情報発信をする可能性がある」との意見が出されたという。
国も市も揃って口にした「伸び伸び遊ばせたい」という美辞麗句の裏には「風評払拭」の狙いが隠されていたのだった。ましてや当時、「あなたと私は意見が違うかも知れないが、屋外施設も大事ですよ。現在の郡山市の放射線量が危険かどうか、専門家に聞いてみたらいい」と語った根本代議士が復興大臣を務めたのだから、国も喜んで金を出す。本当に子どもたちの発育や運動不足解消を主眼に置いているのか。郡山市の安全性を対外的にPRするための道具ではないのか。疑問を抱かざるを得ない。

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【「気にしたら生活出来ない」】
当然、当時の市議会文教福祉常任委員会では、女性市議を中心に「依然として放射線被曝を懸念する保護者は多く、当初計画に戻すべき」などの意見が出された。自民党系市議の中にも反対を口にする議員はいたが、屋内遊び場整備も含めた復興予算に関して根本代議士に陳情してきた経緯を重く見て予算案に賛成。遊び場から放射線防護の役割は消えた。
セレモニー後、大槻保育所にわが子を通わせる30代の母親は「被曝リスクを気にしていたら、ここでは生活出来ません。考えたらノイローゼになってしまいます。きちんと除染して測ってくれているのだから、むしろ他県より安全なのではないでしょうか」と話した。別の母親も「モニタリングポストの数値を見ても意味が分からないから見ない事にしています。数値を気にしてもしょうがないし、ストレスになるだけですからね。放射線とか被曝なんて考え始めたら、郡山には暮らせないですよ」と苦笑した。そして、こうも口にした。
「福島県外に避難する予定も無いし、ここで生きていくしかないのであれば、覚悟じゃないけど、伸び伸びと育ててあげた方が子どもにとっても良いんですよ。将来、子どもの身体に何か(健康被害が)あるかどうかなんて分からないし。やっぱり、子どもは外遊びの方がイキイキとするんです。表情が違うんです」
屋外遊び場への不安を口にする保護者は皆無だった。孫を見守っていた60代の女性は「あの子はドングリを拾うのが大好きなのよ。放射線?いやー考えた事無いですね」と話した。ある父親に至っては、うんざりした表情で言った。「もう、被曝リスクなんて誰も気にしていないですよ。5年8カ月も経つのに、まだそんな質問をするんですか?もう良いんじゃないですかねえ」。
確かに遊び場の空間線量は0.13μSv/h程度だった。だが、少しだけ離れた山で手元の線量計は0.24μSv/hを示した。それが現実だ。

全文は【68カ月目の福島はいま】外遊び回避は昔話? 「被曝リスク意識したら暮らせない」「子どもは伸び伸び遊ばせたい」~郡山に〝国立〟屋外遊び場がオープン

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