川内原発差し止め認めず 高裁宮崎「新基準は合理的」 [鹿児島県] via 西日本新聞

全国の原発で唯一稼働する九州電力川内1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の運転停止を周辺住民ら12人が求めた仮処分申し立ての即時抗告審で、福岡 高裁宮崎支部(西川知一郎裁判長)は6日、差し止めを認めなかった鹿児島地裁決定を支持し、住民側の抗告を棄却した。原発の安全対策を定めた新規制基準 と、原子力規制委員会による適合審査について合理性を認めた。一方で、火山噴火を想定して規制委が定めた安全対策指針「火山ガイド」は不合理だと指摘し た。

新規制基準の下で政府が進める原発再稼働を追認した形で、関西電力高浜3、4号機(福井県)の運転停止を命じた3月の大津地裁決定とは逆の司法判断となった。住民側は最高裁への特別抗告などを検討する。

(略)

■判断基準は「社会通念」

【解説】川内原発の運転差し止めを認めなかった6日の福岡高裁宮崎支部決定は、原発再稼働の是非を巡る世論が割れる中、求められる安全性の尺度は「社会通念」と判断したことが特徴だ。

原発事故を防ぐには、どの程度の安全性を確保すればいいのか。高浜原発の運転差し止めを命じた3月の大津地裁決定は、福島第1原発事故の再発防止のために 不可欠な原因究明が「今なお道半ば」であることを重視。原発の安全性を担保すべき新規制基準や審査が「公共の安寧の基礎となると考えるのはためらわざるを 得ない」と述べた。

これに対し、今回の決定は「最新の科学的知見を踏まえた予測を超えて安全性を求めることが、社会通念になっているとは 言えない」と判断。発生の可能性が極めて低いとされる破局的噴火のリスクも「社会通念は無視しうるとして容認している」と述べ、大津地裁決定とは逆に、新 規制基準や規制委の判断に不合理はないと結論づけた。

社会通念とは何か。1957年の最高裁判例は「社会通念がいかなるものであるかの判断は、現制度の下では裁判官に委ねられている」とするが、国が再稼働を進める今も原発への世論は賛否が割れている。必ずしも、社会的合意が形成されているとは言えない。

全文は川内原発差し止め認めず 高裁宮崎「新基準は合理的」 [鹿児島県]

This entry was posted in *日本語. Bookmark the permalink.

Leave a Reply