本当に被ばくが原因? あらためて考える『美味しんぼ』雁屋哲氏の“鼻血問題” via Health Press

(抜粋)

この“鼻血問題”とは何だったのか? 2015年12月23日、一橋大学での講演「福島への思い★美味しんぼ『鼻血問題』に答える」では、雁屋氏の対談相手として北海道がんセンター名誉院長の西尾正道医師が登壇。二人は実体験を交えながら、医学的な考察を語っている。

鼻血は本当に出たのか?

取材のため福島に2年通ったという雁屋氏は、次のように語っている。

「福島での取材時、食事中に止めどなく出てきて、ティッシュの箱半分の紙を使いました。福島に行ってからというもの、疲労感もすさまじく2時間仕 事をすると、それ以上続けられないといった状態。体調が落ち着いたのは福島を離れてずいぶん後になってからです。こんなことは初めてでした」

雁屋氏の証言に対し、西尾医師はこうコメントした。

「3.11の後、北海道がんセンターで1000人ほど内部被ばくを診ました。子どもを連れてきたお母さんが言うんです。『子どもが喉を痛がるし、鼻血が出る』とね。現実に事故直後、それまで鼻血を出したことのない多くの子どもが、鼻血を出しました」

「たとえば、福島県伊達市の保原小学校の『保健だより』には『鼻血を出す子が多かった』と通知されています。

空気中に飛散した粉塵からセシウム

鼻血と被ばくの因果関係については、西尾医師はこう説明する。

「事故当時、空気中には粉塵がたくさんあった(空気中の粉塵が多ければ、それだけで鼻血ができるという論文もある)。つくば気象研究所の人の測定 データでは、3月15と21日にピークがあり、採取した0.5~2.5ミクロンの大きさの塵を放射線のイメージングプレートで見ると黒点がたくさん現れ た。これは放射線そのもの。スペクトルメーターで測るとセシウムを出す微粒子でした」

「放射性浮遊物を呼吸で取り込むと、鼻腔、咽頭、器官、口腔粘膜を含めて広範囲に被ばくし、汚いものは繊毛運動で外に押し出そうとする。鼻の入り 口近くのキーゼルバッハは最も静脈が密集していて、ここに放射性物質がたまり、影響を受けやすい子が出血しても不思議ではない」

政府が言うようにストレスが原因

「ストレスによって円形脱毛症、胃潰瘍、うつなどにはなりますが、政府が言うようにストレスが原因で鼻血が出ることはありません。『500msvの放射線量を浴びないと鼻血は出ない』と主張しますが、その場合、白血球、血小板、赤血球が減り、何より下痢をします」

「ところがあの当時、そんなたくさん放射能を浴びていません。鼻血は全身症状として出ているわけではないんです」

(略)

西尾医師は、「事故後の急性期の影響がおさまって鼻血を出す人が少なくなったことから、鼻腔を診察したこともないと思われる専門家と称する学者たちが、政府や行政を巻き込み鼻血と放射線の影響を全否定しているにすぎません」と強調した。

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