[Japan In-depth 編集部]【募る危機感、減る一方の被爆一世】~刻め、過去の悲惨な教訓~ via Japan in Depth

(抜粋)

原爆による被害は、熱線や爆風による爆発的なものだけではない。後から広島市内に入った人々も残留放射能の影響を受け、次々に倒れた。いわゆる原爆 症の問題だ。髪の毛が抜けたり、歯茎から血が出たり、体に紫斑が出たりといった放射線による急性症状をそれとは知らず、人々は恐れ、被爆者への差別にもつ ながった。

更に、次の世代への影響も無視することは出来ない。被爆から数年経って子どもを産んだ女性に聞いた話がある。女性の子どもは生後まもなく亡くなった が、その時体には被爆直後に女性の体に出たのと同じような紫斑が出ていた。当時、病院に連れて行くと「これは原爆病だ」と言われたという。

もちろん被爆の状況などによって体への影響は大きく異なる。ほとんど何も影響のない被爆者もいる。しかし、近距離被爆であったり、肉親を探して爆心 地近くを直後から何日も歩いたり、というような人々の中には確かに、なんらかの症状を訴える人は多い。それが多くの被爆者を取材して体感することであり、 原爆を知る多くの広島の人々があまり口には出さないが感じていることだ。

危機感にも似た思いがある。この先、広島、長崎の被爆者が全員亡くなれば、原爆による被害者は本当にいなくなるのかということだ。2世、3世といった被爆者の次の世代への影響は、今も科学的に証明されていない。だからと言って、切り捨てて終わってしまっていい問題なのか。

安保法制や原発再稼働など多くの問題に直面する中で迎えた戦後70年の8月。

私たちは過去の教訓を胸に刻んで、前に進んでいかなければならないはずだ。

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