いま「規制する側」と「規制される側」は最悪の関係にある!  敦賀原発から考える原子力規制の実状 via 現代ビジネス

(抜粋)

しかし、原子力規制を巡る現状を考えると、両者の関係は最悪の状態にある。その最たる例の一つが日本原子力発電の敦賀原子力発電所に関するものだ。

敦賀原発には2基ある。1号機については、今年4月27日をもって廃炉が決まった。2号機については、今後本格的な議論が始まる見通しだが、実は大 きな問題が横たわっている。2号機の真下には”破砕帯”(断層の一種)が通っているのだが、これが”耐震設計上考慮すべき活断層”がどうかに焦点が集まっ ている。もちろん、2号機の当初の設置許可時には、その破砕帯は活断層ではないと判断されている。

ところが、規制委・規制庁が運用する新規制基準によると、[1]新設の原子炉の場合、活断層の上には原子炉は建ててはいけない、[2]既設の原子炉の場合、活断層があるならば廃炉にしなければならない、となる。

規制委・規制庁は今年3月25日の会合で、2号機の破砕帯が活断層であると評価した”有識者会合”の評価書を確定させた。そこで、その評価書を私なりに分析してみた。その結果、その評価書は、

[1]事実誤認に基づき、
[2]通常の学術的手法を無視し、
[3]科学的な論理に一貫性のない、
[4]原子力事業者側の説明を単に否定するだけで、
[5]”見えている事実”を見ず、”見えない願望”にすがったもの

にしか思えない、と前回の拙稿で書いた。

本稿では、それをさらに具体的に見ていく。その評価書は、規制委・規制庁が公表しているもので、概要と全文はそれぞれ次のURLを参照されたい。

(略)

有識者も現地調査に参加し、”K断層の消滅”は確認しているはずであり、自ら観察した事実を「不自然である」と切り捨てる態度は、いかがなものか。

見えている観察事実を否定しておきながら、「近くの断層を乗り継いでいる可能性がある」と見えていない推論で結論を導くことが科学的な判断なのだろうか。有識者にとって”不都合な真実”を覆い隠し、”願望”にすがっているだけと言っても過言ではない。

以上のようなかなり細かな話もあるが、日本原電が公表している資料から評価書には多くの問題点があることが分かる。これに対して、規制委・規制庁は無視し続けている。事業者にここまで言われたならば、規制委・規制庁は、科学的な根拠を添えて説明すべきであり、なぜ、自信をもって日本原電に反論しないのか、不思議でならない。

今秋に予定されている原子力規制改革は、こうした規制委・規制庁の姿勢や手法を根本的に改善する機会にしなければならない。政府・与党は、規制委・規制庁について、その設立理念に立ち返り、真に「科学的・技術的な見地から」の意思決定をする行政機関へと再構築すべきだ。

全文はいま「規制する側」と「規制される側」は最悪の関係にある!  敦賀原発から考える原子力規制の実状

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