『再稼働トップバッター』川内原発の再稼働が遅れている本当の理由 via Huffington Post

(抜粋)

先月25日付の朝日新聞ネット記事では、”1号機の検査は、九電の準備不足もあって工程が遅れ・・・”などと書かれている。多くのマスコミも再稼働遅れの原因は九州電力の「準備不足」と述べているが、私は全くそう思わない。

この件は、もっと本質的なところに問題があるのだ。

先月27日、ようやく、原子力規制委員会(とその事務局である原子力規制庁)による九州電力川内原子力発電所1・2号機の規制基準適合性審査が終了し、再稼働に向けて、あとは使用前検査を残すのみとなった。

ところが、その前日26日の原子力規制庁記者ブリーフィングで、何とも奇妙な質疑応答があった。以下に、その部分を抜粋転載する。

○記者 ・・・非常に基本的な質問なんですけれども、明日、保安規定が認可されるとすると・・・許認可に係る手続というのは全て終了というふうに考えてよろしいんですか。つまり、使用前検査というのは許認可とはまた違うものと考えて。

○規制庁 許認可ではないですね。

○記者 あれは何になるんですかね。法的にいうと。

○規制庁 法律上も使用前検査、検査ということになると思いますが、新しく設備を作っ たとき、あるいは既設の設備でも、工事計画上の機能等が変更になったようなものについては、それを確認するための検査ですね。確認できれば、使用許可とい うことでその範囲については使っていくことができると。

○記者 そこでいう使用許可というのは、許認可の許可、例えば設置変更も許可と言いますけれども、使用許可というのはまた違うものなんですか。法的に。

○規制庁 使用許可というか、使用することができるということで、検査の結果としては合格証というのが法律上交付されるということになりますが。

(中略)

○ 記者 今の質問であった検査の部分の合格証という部分なんですけれども、これはいわゆる行政手続の許認可ではなく、あれは設置変更許可だから許可証とか だったという記憶もあるんですけれども、これは合格というので、また行政手続の許認可とは違うという理解でいいんですか。

○規制庁 少な くとも行政行為としての許可や認可というのは、行政法上の定義が ございますよね。許可でありますと、一般的な禁止行為を特定の要件がそろった場合に解除する行政行為というのが許可の定義かと思いますが、厳密にいうとそ れらに当たるものではないと。検査が終了したということの証明を出すということですよね。

○記者 分かりました。

以 上の質疑応答を読むと、使用前検査は行政行為ではないのか、と疑ってしまう人も少なくないだろう。現在の運用では、原発再稼働のためには、①「原子炉設置 変更許可申請」、②「工事計画認可申請」、③「保安規定変更認可申請」の3つに関して「許認可」を受け、その上で、④「使用前検査」に「合格」する必要が ある。

これらは、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」 (=原子炉等規制法)に規定されている。そして、原子炉等規制法第43条の3の11には「原子力規制委員会の検査を受け、これに合格した後でなければ、こ れを使用してはならない」と規定されている。これに違反した場合には、原子炉等規制法第78条に基づく罰則が課せられる。

これらは規制権限の行使に該当するが、それを「行政行為ではない」と記者に説明する規制庁担当者は、本当に法律のことを理解しているのだろうか?

全文は『再稼働トップバッター』川内原発の再稼働が遅れている本当の理由

This entry was posted in *日本語 and tagged , , , , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply