原発の安全基準をどう考える?via マガジン9

(抜粋)

日本も韓国も原発大国です。日本はアメリカ、フランスに続いて第3位、韓国は4位のロシアに次ぐ世界5位の原発を保有しています。地域的に見ると、日本列島と朝鮮半島は世界有数の多原発立地エリアなのです。
しかも日韓両国とも国土が狭く、原発の好適地が少ないため、1ヶ所(それもほとんどが海沿いです)にいくつもの原発が鈴なりに立地しています。
そのため、海からの攻撃やテロに弱い。あるいは1基に過酷事故が起きると、高い線量に阻まれて作業員が近づけず、隣接の原発までコントロールできなくなって事故が複合化するなどの共通の弱みを抱えているのです。
福島第一原発事故を見ればわかるように、原発事故の影響はひとつの地域、国家にとどまりません。原発がトラブルを起こし、大量の放射性物質が放出されれば、ほかの国にまで悪影響が及びます。
韓国の原発の8割は日本海に面した東海岸に集中しています。日本海上空には偏西風が吹いており、もし韓国の原発で事故が起きれば、その西側にある日本列島もまた汚染されます。
韓国にしても、もし九州の玄海原発で過酷事故が起これば、放射能汚染が玄界灘に広がり、その対岸にある慶尚南道、全羅道、済州島など、韓国南部の自治体は大きなダメージを負うことでしょう。
こう考えると、日本と韓国は原発事故が起きると、その発生国がどちらであれ、もう一方の国も放射能汚染にさらされるという共通の利害関係を抱えていることがわかります。

(略)

しかし、「世界一厳しい」と安倍首相が胸を張るほど万全なのかと言われれば、首をひねってしまいます。ヨーロッパの原発などでは当たり前となっているコアキャッチャー(事故でメルトダウンした核燃料が外部に漏れないよう受け止める設備)の設置義務さえありません。
避難計画などももっぱら自治体に任せっきりで、原子力規制委員会はプラントの安全性にかかわる審査しか関与しようとしません。
アメリカでは避難計画の不備を理由に、廃炉を決定したケースもあります。原子力規制委員会の田中委員長が川内原発1号機、2号機の安全審査にあたり、 「基準への適合は審査したが、安全だとはわたしは言わない」といみじくも語ったように、「日本の原発の安全基準は世界一厳しい」というセリフはまやかしに すぎません。
韓国の原発の心もとなさにいたっては、日本どころではありません。ここ数年、韓国の原発では事故が多発し、多くの国民がその安全性に疑心を抱いています。
たとえば、釜山市郊外に立地する古里原発ではトラブルによって、昨年だけで6度も運転停止しています。この原発では2012年にも17分間、全電源停止 事故が起き、原子炉の冷却水温度が20度も上昇した事故も起きています。しかもこの時、原発を運営する韓国水力原子力は作業員らにかん口令を敷き、事故を 1ヶ月間も隠蔽していたのです。

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