【詳報】「今、日本は戦後最大の危機を迎えている」大江健三郎氏、鎌田慧氏が会見 via BLOGOS

10日、ジャーナリストの鎌田慧氏と、作家でノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏が会見を行った。両氏は2011年、内橋克人氏、落合恵子氏、坂本龍一 氏、澤地久枝氏、瀬戸内寂聴氏、辻井喬氏、鶴見俊輔氏と9名で「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」を結成、「さようなら原発1000万人アクション」を続け、署名や集会などの活動を行ってきた。

両氏は東日本大震災と福島第一原発事故の発災から4年を迎えるのを前に、改めて原発の再稼働反対を訴えた。

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鎌田氏の冒頭発言要旨

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4年経ってもどこに住んだらいいのか、どういう仕事をしたらいいのか、まだわからない人が11万人以上います。こういう人たちを見捨てる形でまた原発を動 かそうとしている、これは本当に、人類の叡智に対する挑戦だと思います。間違いを改めない、犠牲者を振り捨てて新たな利権に向かっていく。全く人間のモラ ルに反することを、今、日本政府と電力会社はやろうとしているのだと思っています。

福島に行ってご覧になった方もいらっしゃると思いますけれど、第一原発がある大熊町、双葉町、第二の原発がある楢葉町、それから近くにある浪江町、全く人 が住めない。あるのはススキの白い色と、セイタカアワダチソウの黄色い色と、汚染物をいれた黒い袋。黒と白と黄色で埋め尽くされています。
そして100人以上の子どもたちに甲状腺がんが現れています。それから、仮設住宅に住んでいて、目の前に家があるけれど放射線に阻まれて戻れない、そうい う人たちが続々と亡くなっていまして、原発関連死は1,200人以上にもなっている。そういう惨憺たる状況です。これが4年経った現実でして、これを全く 解決しないうちに新たな5年目、つまり再稼働に進もうとしています。

故郷を失い、居住する場所を失うということは、精神的なダメージが大きいわけでして、人権に関わる問題です。人間がどういうふうに生きていくのか、どこに住むのか、住む環境はどうかという、古来の人権に対する挑戦として、新たな再稼働を進めようとしています。
20万人にも及ぶ福島の人々の夢と居住権と人権を奪って、なおかつそれに対する補償もできていない中で、川内原発とか、あちこちの危険な原発を再稼働させようとしている。これは政治的な犯罪と言っても間違いではないと思います。

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大江氏の冒頭発言要旨

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メルケルさんと安倍首相が話をしたということは、私は非常に大きい、象徴的な、あるいは現実的な意味を持っている出来事だと考えています。
メルケルさんはまず最初に、非常に高度なテクノロジーを持っている日本の人々が原発を十分にコントロールできなかったということは事実だと言われました。 ドイツは福島の事故を見て、これからのエネルギーの課題として原発を用いるということは全く不可能だということを認識した、そしてそれに向かって働き始め ているということです。
それに対して安倍氏は、今いくつもの原発が稼働をやめているけれども、今年のうちに4つ、あるいは5つの再稼働を行うということを言った。そしてその方針を変える気はないとも言った。

それに対して私たち民衆はどう考えているか。私たちはメルケルさんと安倍の態度を見て、現在の政治的な、人間的な意思、態度をいうものを完全に作り変えな ければいけない、そのことをを今強く感じている。今までもそれに基づく行動はあったし、これから大きく広がっていくだろう、それを広げていきたいというの が私の考えです。

昨日の記者会見を見て、非常にはっきりしたことは何かということをお話しました。
もう一度繰り返しますと、日本の政治家には、この大きい原発事故という福島の悲劇がありなながら、それを全く別の方向に作り変えていくという政治的意思は ないと。すなわち原発事故に対する反省、あるいは再出発という意思がまったく無い政治家が政治を決断していて、例えばメルケル首相などから、そのことにつ いて批判する声が明瞭に示されても全く耳を貸さないという点が今の政府にあるということです。

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