西田敏行さん、復興への思い 問い直す先に未来がある via 朝日新聞

東日本大震災から4年。今も約23万人が避難生活を送り、原発事故は出口が見えない。でも、被災地で人々は前に歩み、未来に向かって支え合う。ふるさとの復興への思いを俳優の西田敏行さんが語った。

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震災から1年が経ったころでしょうか。釜石や同じ岩手県の大槌町を歩きました。津波で大変な被害にあったところで、まだまだがれきが積み上がっていましたが、復興への光もわずかながら見えていました。

でも、福島県は違いました。私の故郷は、県のちょうど真ん中にある郡山市です。震災から半月後、郡山で友人たちと落ち合って、太平洋岸の南相馬市に車で向かいました。高さ十数メートルある橋まで津波が来たと聞いて驚きましたが、それ以上にショックだったのが、人影がまるでなかったことです。事故を起こした福島第一原子力発電所から30キロほどの場所でした。

福島から宮城へと流れる阿武隈川が、 子どものころの遊び場でした。仲間と泳いでいる上流で、農家のおじさんがたわしでベコ(牛)を洗っています。気持ちよくなったベコは大量の小便をして、そ れが泡の山になって流れてくるんです。見張り役の子が「来るぞー」と叫ぶと、私たちは「わーっ」と逃げます。原発周辺では、そんな川遊びもできなくなって しまったのです。

(略) 自ら立ち直る人たちもいます。私にとっては「常磐ハワイアンセンター」と呼んだ方がしっくり来るのですが、スパリゾートハワイアンズのフラガールのみなさんは震災後、全国キャラバンをやってお客さんを呼び戻しましたよね。つらい時期に、よくがんばってくれたと思います。

ハワイアンズのある福島県いわき市と、事故を起こした原発との間にある広野町に今春、「ふたば未来学園」という県立高校が新設されます。応募が募集定員を上回ったことを知った県教育委員会は定員を増やしたそうですね。私は縁あって、この学園の応援団の一員になっています。

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20年前に阪神大震災が起きました。4年前が東日本大震災です。その間にも、新潟や鳥取、いろんなところで大きな地震が起きています。日本全国どこに住んでいてもひとごとではありません。

原発が再稼働されようとしている地域の人たちには特に言いたい。わが故郷・福島の人たちは「原発は安全・安心だ」とずっと信じてきました。でも、 起こらないはずのことでも起きてしまうのです。「俺のところは大丈夫だ」と本当に信じていいのですか?(聞き手=福島総局長・森北喜久馬、写真=関田航)

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