福島第一原発のセシウムどれほど海外に到達したか、カナダの研究グループが報告 via MEDエッジ

被害者、加害者を離れた科学的検証 西川伸一 THE CLUB

(略)

今回紹介するカナダのベッドフォード海洋研究所からの論文は、福島からのセシウムが海流に乗ってカナダに到達する過程を調べた論文だ。米国科学アカデミー紀要オンライン版に掲載された。

タイトルは「福島の放射性汚染物が北アメリカ大陸の水域に到達した(Arrival of the Fukushima radioactivity plume in North American continental waters.)」だ。

震災直後から研究着手

研究は単純だ。

研究グループは、福島第一原発の事故後、すぐに海流によって福島からカナダへと運ばれてくる放射性汚染物の影響 を調べるプロジェクトを立ち上げた。カナダのバンクーバー島沿岸から1500km沖まで、26カ所の水質汚染検査ステーションを設置。水を汚染しているセ シウム量を測ったというだけの研究だ。

各ステーションでは水面から100mずつ水深1000mまで測定している。この測定ラインは、カ ナダ沖を北上する日本からの海流を横断するように設計されている。それぞれの測定ステーションで測定されている「セシウム134」と「セシウム137」だ が、134の方は半減期が2年と短く、また原子炉でしか生まれないので、これが検出されると確実に福島からの汚染物質と特定できる。一方、137の方は半 減期が30年と長く、これまでの核実験などで生まれた汚染物質の影響が残っている。実際1960年代にはわが国の海水には現在の10倍に当たる10~20 ベクレル/立法メートルのセシウム137が含まれていたようだ。

大気圏核実験が中止されたおかげで、現在では1.5ベクレル/立法メートルにとどまっている。福島第一原発からは両方のセシウムがほぼ1:1の比で出たので、セシウム134を正確に測れると、福島からのセシウム137を特定することが可能になる。

2015年にピークか

さてカナダ沖への到達だが、2012年からセシウム134の上昇が観察されるようになり、2014年には2ベクレル/立法メートルに達している。今回の研究で、この汚染は水深100mまでであることもはっきりした。

全文は福島第一原発のセシウムどれほど海外に到達したか、カナダの研究グループが報告

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