国策に翻弄され:戦争と原発/4止 戦没者の遺品収集−−田村市遺族会長・鈴木正一さん /福島 via 毎日新聞

◇戦争の風化に怖さ 「資料見てもらい平和語りたい」−−鈴木正一さん(74)

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田村市歴史民俗資料館の一角に、平和祈念資料展示室が開設されたのはちょうど10年前の2004年8月でした。昭和から平成に時代が移り、かやぶ き農家が次々と新しい家に建て替えられ、戦没者の遺品が散逸していました。遺族会(当時は船引町連合遺族会)で保存する手立てはないかと考えました。お金 は遺族会で何とかできるとして、果たして遺品が集まるかどうか、それが一番心配でした。

展示室開設の5年ぐらい前、集まったのはわずか20、30点でした。これを種にして増やさないといけないと思い、船引町の文化祭に遺品を展示して 協力を呼びかけました。そしたら、出征写真や予科練制服、千人針など数百点が寄せられ、展示できるだけの資料を収集することができました。

戦没者の慰霊祭で皆、二度と戦争を起こさないと言います。でもなぜか無機質な枕ことばのように聞こえてなりません。口先で平和を語るよりも、資料 を見てもらって平和を語りたいという強い思いがありました。遺族会が資料展示室の運営に関わるのは珍しいケースですが、生きることの大切さ、平和の尊さを 遺品を通して訴えたかったのです。

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原発事故への政府の対応にも疑問を感じます。原発も戦争と同じ国策です。それが事故の反省も踏まえず、政府は再稼働に突き進みます。あの戦争ですら風化 するのですから、原発事故もそうなる懸念は大いにあります。戦争も、原発事故も、若い世代にその教訓をどう語り継ぐかが今、問われているのだと思います。 【聞き手・浅田芳明】=おわり

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