暴言吐かれ、辞めようかと…被爆者語り部「伝え続ける」via 朝日新聞

 15日、長崎市被爆者語り部の森口貢(みつぎ)さん(77)は、市内の爆心地公園で「不戦の集い」に参加していた。5月、修学旅行中の男子中学生5人から「死に損ない」などと暴言を吐かれ、一時は語り部を辞めようかと考えた。けれど今、「伝える努力を続けよう」と気持ちを新たにする。

暴言は、被爆遺構を案内中に態度の悪い生徒を注意した後に出た。以前も携帯電話をいじる、寝転がるなどの生徒はいたが、経験のない強烈な言葉だった。

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暴言問題の後、平和運動に関わる20代の男性に言われた。「子どものころ、被爆体験を聞くと、先生が言う通りの感想を書かねばならないと感じた。核兵器や戦争が絶対ダメというのは正義だが、押しつけられる反発もある」。ハッとした。後に届く感想文は立派なものばかりだった。自分の思いだけを押しつけていたのかも……。

今月8日、森口さんは被爆遺構で沖縄の中学2年生8人に語りかけた。「ここでみなさんと同じ13、14歳の子どもがたくさん死にました。この先の人生がなくなったらどう思う?」

「イヤだ」。小さな声が返ってきた。「何でもいいから質問して。意見でもいいですよ」。子どもの素直な気持ちや意見をそのまま引き出したい。森口さんが今、心がけていることだ。

「暴言は、若い人に何をどんなふうに伝えればいいかを考える、よいきっかけになった」。同時にこうも言った。「あの生徒たちとゆっくり話ができればなあ。生意気な時期もある年齢。あのことが傷にならなければいいが」(編集委員・大久保真紀

全文は暴言吐かれ、辞めようかと…被爆者語り部「伝え続ける」

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