クローズアップ2014:美味しんぼ、広がる波紋 鼻血描写、閣僚ら異例の批判 via 毎日新聞

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美味しんぼはこれまでも食に関する社会的問題を提起してきた漫画だ。しかし、これほどの反応は異例といえる。

リスクコミュニケーションを研究する「リテラジャパン」代表で福島県飯舘村のアドバイザーも務める西澤 真理子さんは「信頼できる情報がないと、極端な論にも飛びついてしまう」と話し、放射線量と健康影響に関して公表されている情報への市民の不信感を、この 異例の事態から読み取る。福島市内では12日発売号が即日売り切れとなる書店やコンビニが続出。「震災から3年たっても福島県民が『誰が正しいことを言っ ているのか分からない』と悩むのは、信頼に足る情報提供をしてこなかった行政の責任も大きい」とし、「国や県は分かりやすい説明を尽くすべきだ」と訴え る。

一方、日本では1960年代後半から「漫画を卒業できない大人」が増え、老若男女が漫画に親しむ。吉村 和真・京都精華大マンガ学部長(漫画研究)は一つの漫画がこれだけ世間をにぎわす背景として、「一般的に漫画は分かりやすいと思われるが、デフォルメや フィクションを基調とするため、科学的根拠や真偽性だけにこだわると『漫画ならでは』のメッセージを見逃す。架空の主人公に鼻血を出させた意図を読者は もっと慎重に考えるべきだ」と話す。

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福島県民の反応は複雑だ。避難区域に指定された川俣町山木屋地区から、町内の仮設住宅に避難している紺 野正寿(しょうじ)さん(77)が「特に理解に苦しむ」と感じるのは、12日発売号で登場人物が「福島はもう住めない」と述べる場面だ。同地区は昨年8 月、避難指示解除準備区域と居住制限区域に再編され、約1200人が町内外で避難生活を送る。帰還後の営農再開に向け、除染作業と並行して排水工事も進ん でいる。紺野さんは「漫画を見た子どもが福島に住めないと思ったり、帰還か移住かで迷っている若い人が帰ってこなくなったりする」と懸念する。

一方、県外に避難している人は4万7995人(2月13日現在)に達している。原発事故直後に、福島県 いわき市から岡山県倉敷市に自主避難した高橋香さん(40)はその一人だ。「これまで鼻血やじんましんなどの体調不良を訴えても、誰も正面から取り上げて くれなかった」と訴える。美味しんぼの表現は「決してデマとは思えない」と言う。

福島県南相馬市から夫婦で山形市に自主避難している男性(61)も、美味しんぼの主人公らが福島第1原発を訪問した際に鼻血を出した場面が描かれているのを知り「正直なところ共感した」。描写を批判する声との間に、大きな溝を感じずにはいられないという。

環境省と福島県が運営する除染情報プラザの登録専門家で、同県内で住民向け相談会を行う佐瀬卓也・元徳 島大講師は「漫画という分かりやすい表現が共感を呼び、心の底にある不安を思い出させてしまったようだ」と分析する。さらに「冷静な議論を通じて不安を軽 減していく活動が求められる」と話す。【小林洋子、坂根真理、前田洋平、永山悦子】

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