2つの風(下) 作業員次々に去る 現場の思い伝え続ける via 福島民報

(抜粋)

今、ベテランや技術者不足が深刻になっている。現場によってはベテラン不在で作業が長引き、被ばく線量が増え、疲労が蓄積する悪循環が起きている。
平成23年12月の事故収束宣言後、コスト削減で待遇が悪化。競争入札が進み、仕事が安定せず、作業員が次々離れていった。長年働く男性は「被ばく線量 がなくなったら次の人と交代。俺らは使い捨てだ」と吐き出すように話した。大企業は配置換えができるが、下請けや孫請けの作業員には次の仕事の保証はな い。心を残しながらも、生活を考え去った人もいた。
昨夏以降、汚染水漏れや人為ミスが相次いだ。「被ばくをしながら必死に作業をしても褒められることはないが、何かあればすぐたたかれる」とベテラン男 性。その場にいるとすぐ死ぬような高線量だという誤った報道もあり、何人もの作業員に、「もうやめて帰ってきて」と心配する家族から電話がかかってきた。 危険な場所で働いていることは家族に言えないと、つらそうに話す男性もいた。
「作業は今後何10年も続くのに、報道されなくなった。忘れられるのが一番怖い」とつぶやいた作業員の一言が忘れられない。彼らがいなければ、事故収束も廃炉もない。被ばくと闘いながら現場で働く人たちの「福島を忘れないで」という思いを胸に、今後も伝え続けたい。

■原発作業員の被ばく線量限度
国は「5年で100ミリシーベルトかつ1年で50ミリシーベルトを超えない」と定めている。事故直後は一時250ミリシーベルトまで引き上げた。平成 23年11月に元に戻され、同年12月16日の政府の事故収束宣言後は「緊急作業」ではないことになった。多くの企業は余裕をみて年間15~20ミリシー ベルト、5年で70~80ミリシーベルトに上限を設定。事故から3年を前に被ばく線量が上限に達し、ベテラン離れが深刻になっている。

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