焦点:安倍政権は早期原発再稼働にカジ切る可能性、民意とかい離するリスクも via ロイター

[東京 10日 ロイター] -東京都知事選で舛添要一氏が当選し、反原発を訴えた候補が敗退したことで、安倍晋三政権は、早期の原発再稼働にカジを切る可能性が高まった。

ただ、各種の世論調査では、原発からの撤退や縮小を求める声が多く、こうした民意とエネルギー政策のかい離が大きくなっていった場合、国内の政治情勢に影響を与えかねない「磁場」が形成される可能性もありそうだ。

各種の論調査では、原発の再稼動反対が多数を占めることが多いが、今回の都知事選では細川護煕元首相ら脱原発を掲げた候補者が複数立っ たことで、票が分散。細川陣営が原発問題を最優先に掲げたことを「ワン・イシュー化(争点の単一化)」と捉え、批判的な世論が醸成されたことも影響したよ うだ。

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<原発めぐる民意>

共同通信社が1月下旬に実施した全国世論調査によると、原発再稼働に反対と答えが60.2%に上り、賛成の31.6%のほぼ2倍になるなど、原発に対する世論の拒否感は根強い。

しかし、その声が政党間の政策段階では反映されず、なし崩し的な原発維持・推進という国策が既成事実化されている。

一昨年の衆院選、昨年の参院選で、程度の差こそあれ、脱原発を掲げた政党の比例代表における得票率(全国)を合計すると、自民党を上回る。今回の都知事選は原発が争点となった3度目の大型選挙だったが、前2回と同様に、脱原発票が分散し、国政に反映できない状況が続いている。

今回の都知事選で、宇都宮候補の支持層には、細川氏支援で前面に立った小泉純一郎元首相に色濃い新自由主義路線に対する拒否感が強かった。

一方、細川・小泉両氏の支持層には、宇都宮候補を支援した共産党など左翼陣営に対するアレルギーが残るなど、もともとの政治的な立ち位置の違いからくる脱原発を主張する勢力内の対立構造も根深い。

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<原発推進は変わるのか>

政策議論の場を作ることはメディアの主要な役割だが、今回の都知事選では、少なからぬ主要マスコミが原発問題で沈黙した。あるラジオ番組で、経済学者の1人が原発の問題点を取り上げようとしたころ、放送局の担当者が発言しないよう要請したケースがあったという。

原発推進という国是をなぜ変えられないのか──。若手の政治思想学者、白井聡氏(文化学園大助教)は「福島事故は、もっと悲惨なことに なっていた可能性もある。東京で普通の市民生活を取り戻せたのは、たまたまのこと。一番きついことを有権者は見たくないし、権力側は見せたくない、考えさ せたくないという術に、多くの人がはまっている」と話している。

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