原発事故から2年半 「東京は安全」でいいのか via 福井新聞

(抜粋)
「東電は事故収束への想像力が足らないのではないか」

楢葉町にある東電の福島復興本社を取材した際、石崎芳行代表(東電副社長)はこの質問に対し、対策の不備を認めた。「もぐらたたきの状態になっている。一つ一つリスクを洗い出していくしかない」

汚染水問題は深刻だ。タンクから約300トンが漏れ、周辺から高濃度の放射線量を検出。壊れた原子炉建屋には1日400トンの地下水が流れ込み、汚染の連鎖が止まらない。

賠償、除染、復興支援、雇用創出など復興本社の任務は重要だ。年内に4千人に拡充する計画。「できるものは何でもやる」という代表の言葉に偽りはないのだろう。

だが事故現場では東電の場当たり的な対応のツケが回ってきた。漏えいタンクは、事故直後の応急措置で十分な基礎工事をせずに造成した。同型は300基あり、政府は慌てて全交換を決めた。

■私たちを忘れないで■

安倍晋三首相は「東電任せにせず国としてしっかり対応していく」と政府主導を強調した。遮水壁や浄化装置対策など470億円の国費投入を決めたものの、抜本解決になるか不透明だ。人と環境を守るべき原子力規制委員会の責任も問われる。

2020年夏季五輪の開催都市を決めるIOC総会で安倍首相は「全く問題ない」「私が安全を保証する」と声高に国際公約した。しかし、政府が基本方針と総 合的対策を決めたのは総会のわずか5日前だ。「汚染水による影響は港湾内で完全にブロックされている」と言明したが、遮断の困難性は東電が認める。汚染水 も排水溝から外洋に漏出した可能性が濃厚で、制御できてはいない。

困難な問題を政治が単純化すれば本質を見失う。「福島から250キロ 離れた東京は安全」というメッセージに福島への想像力は皆無だ。仮設住宅の住人は「(五輪決定の)喜びもあるけれど、私たちのことを忘れないでほしい」と 遠慮がちに語った。3・11から2年半。「原子力緊急事態宣言」がいまだ解除されない現実が現場にはある。(北島 三男)

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