「福島で頭2つの子が生まれている」 緑の党候補街頭演説が物議を醸す via J-Cast News

「福島で頭2つの子や無脳症の子が生まれている」。脱原発を掲げる「緑の党」の参院選出馬候補が、街頭演説でこう発言した動画をホームページ上で アップし、物議を醸している。候補側は、「原発事故からの影響は証明されていないが、差別助長などの意図はない」と説明している。

動画をアップしたのは、緑の党が比例代表に擁立した木村雄一候補(53)だ。木村氏は、福島市内でライブハウスを経営していたが、震災後の2011年6月から佐賀県に自主避難している。

「チェルノブイリの再来」だと主張

木村氏は、2013年7月4日の公示日に福岡市の九州電力本店前で第1声を上げた。アップしたユーチューブ動画は、そのときのものだ。

動画の演説では、福島県南相馬市の人からこの日に聞いたことだとして、「頭が2つある子、生まれてますよ。後は、無脳症の子どもも生まれてま す」と話した。その説明からすると、死産した子どもを指すらしい。さらに、福島県西郷村では、12年夏以降からも奇形の子が生まれているとした。

木村氏は、こうしたことについて、「チェルノブイリの再来」だと主張した。演説前に首相官邸前で議論したが、南相馬市の人が言ってもいいとし たので発言していくことにしたという。演説では、テレビなどではやらないとして、「それを言うために僕は立候補したんです」と述べた。

(略)

震災後に、福島県内で奇形児が次々に生まれているというのは本当なのか。

厚労省の保健社会統計課によると、先天奇形や変形、染色体異常から死亡した乳児は11年に福島県で6人いた。

福島県「そんな話は聞いていない」

このうち、頭が2つある2頭体や無脳症は、報告例がなかった。全国では、2011年の死亡乳児に2頭体はいなかったが、無脳症は9人いた。どちらも数は少ないものの、存在しているらしい。

12年は、福島県の死亡乳児は概数で5人で、2頭体も含まれる「その他の先天奇形及び変形」や、無脳症も含まれる「神経系の先天奇形」は、ともにいなかった。死亡数についても、震災前の10年が12人だったのに比べて、むしろ減ってきている。

南相馬市の保健センターなどに取材すると、2頭体や無脳症について、「そのような情報は入ってきていません」と首をひねった。また、西郷村の 健康推進課でも、12年夏以降の奇形児について、「うちでは情報がない」として、今後確認していきたいと取材に答えた。村のある保健師は、「奇形の話はこ こ数年聞かない」とし、「こんな話が流れれば、女性はお嫁に行けなくなると不安になってしまう」と漏らした。

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