メルトダウン事故のチェルノブイリ原発から30キロ圏内には無断で入ることができず、ウクライナ非常事態省の許可がいる。見学や研究のため入りたい場合は、少なくとも10日前に申請しておく必要があるという。しかし、そんな原発30キロ圏内に住んでいる人たちがいる。
・放射能に関する差別
エフゲーニーじいさん(75歳)はそのひとり。本来ならば30キロ圏内に住んではいけないが、自分が生まれ育った家であることから強い思いがあり、いまも生家で暮らしている。そんなエフゲーニーじいさんは、かつてあった放射能に関する差別について語ってくれた。・事故発生時もチェルノブイリに住んでいた
メルトダウンしたチェルノブイリ原発から、大量の放射性物質が放出された。27年が経過したいまも放射性物質が飛散を続けており、さらなる飛散を抑えるべ く、現在はシェルターが建設されている。事故当時40代だったエフゲーニーじいさんは、事故発生時もチェルノブイリに住んでいた。・放射能に汚染された人
事故後、エフゲーニーじいさんのようなチェルノブイリに住んでいた人たちへの差別があったという。そう「放射能に汚染された人」として避けられたり、嫌な 対応をされることがあったというのだ。そういう出来事があったことから、政府が「とある公式な書類」を発行したとのこと。・政府が公的書類を発行
簡単にいえば「この人はどこでも自由に出入りできる」という公的書類を発行したのである。エフゲーニーじいさんはそれを持ち歩いて行動していたという。そこまでしないといけないくらい差別的な行為をされていたと考えると、非常に心が痛む。・人としての心を忘れずに生きたい
福島第一原子力発電所の事故後、福島県民に差別的な態度をとる人がいたという声もある。どのような状況であれ、冷静になり、人としての心は忘れずに生きていきたいものである。
続き、写真、ビデオは【チェルノブイリ取材】放射能の風評被害で原発付近の住民に差別 / 政府が「この人はどこでも自由に出入りできる」という書類を発行