はたして放射能汚染地域は除染すれば住めるのか? 国は避難期間を明示し、移住による生活・コミュニティの再建を via Diamond online

小澤祥司
環境ジャーナリスト/日本大学生物資源科学部講師
2011年3月以降、飯舘村の汚染調査、住民の支援に取り組む。

(一部抜粋)

農水省では過去のカドミウム汚染水田などで除染を行う「公害防除土地改良事業」で、天地返し(上層土と下層土の入れ替え)による除染を行っている。 公害史に詳しい國學院大学の菅井益郎教授によれば、この費用は平均して10アール(1反)あたり300万円だという。そのまま当てはめれば全体で4500 億円の除染費用がかかる。加えて今回の放射能汚染では、農道や水路、畦畔の除染も必要だ。しかも、現地は農地と森林が一体となった環境である(写真)。その森林に降った水を灌漑用水に使っている。セシウムを含む落ち葉も舞い込んで来るであろう。除染は農地と森林をセットで行わなければ意味がない。

森林の除染は農地よりもやっかいだ。セシウムは葉や樹皮に吸着され、地表では厚く積もった落葉落枝や腐葉土に染み込んで、その下の土壌にまで達し ているからだ。確実に除染するには樹木を皆伐し、地表をかなり厚く削り取るしかなかろう。この費用は、農地の数倍かかるだろう。さらにこれに除染した土な どの処理費用が加わる。これには広大な面積の管理型処分場が必要になる。居住区・建物の除染を含めて、全体の費用が10兆円を超えると見積もっても大げさ ではあるまい。しかも除染は確実に農地の質を低下させ、広範囲の森林の皆伐、表土除去は地域生態系に壊滅的影響を与える。

全文ははたして放射能汚染地域は除染すれば住めるのか? 国は避難期間を明示し、移住による生活・コミュニティの再建を

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