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『被曝影響をフェイクサイエンスで対応する国家的犯罪(前編)』via市民のためのがん治療の会

(独)国立病院機構 北海道がんセンター 名誉院長「市民のためのがん治療の会」顧問   西尾正道 […] 福島原発事故から9年を迎えたが、事故直後に出された「原子力緊急事態宣言」下のままである。 そこで本稿では、現在までの福島事故後の規制値の変更(緩和)や、棄民政策とも言える出鱈目な対応についてまとめ、さらに汚染水の海洋放出を強行しようとしていることからトリチウムの危険性についても報告する。 コロナウイルス感染では数日で発症することから真剣になるが、低線量の健康被害はすぐには症状を呈さず数年単位の問題となるため問題意識が希薄となるが、放痴国家の嘘と隠蔽に科学的な知識で対応して頂きたいと思う。 1.棄民政策を続ける原子力ムラの事故後の対応 政府・行政・東電は御用学者・インチキ有識者とスクラムを組んでICRPのフェイクサイエンを基に無責任な対応をしているが、醜いことにその手法も偽装と隠蔽と誤魔化しを織り交ぜて国民を欺いています。 事故後9年を経過し、現在まで行われてきた被曝線量に関する規制値の緩和をまとめ資料1に示すが、原発事故後の政府・行政の手法は常に後出しジャンケン手法であり、基本的な姿勢は【調べない】・【知らせない】・【助けない】です。 […] この異常に高い規制値を現在の放射線管理区域の規制値と比較したものが資料2である。 現在騒がれているコロナウイルスの感染ならば数日で発症する人もいるので関心を持ち対応に迫られるが、 年間20mSv程度以下の環境下での健康被害は晩発性に生じることから、放射線が原因と断定することは容易ではなく、因果関係を証明することは困難なことも多いため、うやむやにされてしまうのである。 […] 現在でも福島県の居住地域は年間20mSv以下としているが、資料3にチェルノブイリ事故後の対応との比較を示します。 […] またさらにデタラメなことに、被曝線量を測定する空間線量を測定し表示するモニタリングポストは機器の内部操作により実際よりは40~50%低減させて表示しています。 この数値が新聞に掲載される線量となっているため、健康被害が将来出現しても線量との相関も分析できない状態が続いています。 資料4にモニタリングポストの問題のまとめを示す。 […] 9年間の政府・行政の事故後の一連の棄民政策とも言える対応の主な問題を資料5にまとめ示します。 事故直後の対応としては情報の非公開や隠蔽だけでなく、被曝線量の測定放棄と規制値の大幅緩和が特徴である。 […] 原発事故後は規制値を緩和し、Cs-137の体内汚染を少なくする薬剤の配布も政府は禁止した。 事故発生の数年前に放医研の治験により、薬事法を通して薬剤として認可されていたラディオガルダーゼⓇという経口薬があった。 この薬剤については資料6に示すが、腸管でCs-137をイオン交換して便として体外へ排泄させ約4割ほど除染できる薬剤である。 […] 一般的なガラスバッジはα線やβ線の内部被曝は測れず、全方位からの放射線を正確に積算する機器ではなく、 主に正面からの放射線を測定する構造であり、また検出下限も大きいことから実際の被曝線量の5~10%の数値となる。 資料7にガラスバッジと空間線量率から算出した実効線量との関係を示すが、大幅な過小評価となるのです。 […] 全文

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西尾正道氏 原発汚染水の海洋放出は人類への“緩慢な殺人”via日刊ゲンダイ

 最近はすっかり“安全運転”になっている小泉進次郎環境相だが、就任直後、まず発言に窮したのが福島第1原発の汚染水問題だった。前任大臣が離任直前「海洋放出しかない」と“宿題”を投げ、小泉氏の見解に注目が集まったのだ。敷地内での保管に限界が迫り、海洋放出論は加速している。これに強く警鐘を鳴らすのが、内部被曝を利用したがんの放射線治療に長年携わってきた医師で北海道がんセンター名誉院長の西尾正道さん。がんと核をめぐる闇を語った。 […]  ――自然界にも放射性物質はあるから、放出は安全だという声もあります。  自然界の放射性物質はもともとごく微量で、ほとんどが大気中核実験や原発稼働によって自然界が汚染されて急増したものです。このため放射性物質であるトリチウム(三重水素)は1950年の約1000倍の濃度になっています。汚染水に大量のトリチウムが含まれるから危険なのです。  ――どのように危険なのでしょうか。  トリチウム(半減期は12・3年)はベータ線を出しヘリウムに変わりますが、水素としての体内動態を取ります。細胞内の核の中にも水素として入り放射線を出します。このため、低濃度でも人間のリンパ球に染色体異常を起こすと、74年の日本放射線影響学会で報告されています。ドイツでも原発周辺のがんと白血病の調査をして、子どもに影響があると結果が出ています。 […] ――稼働させているだけで放射性物質が放出されれば原発はクリーンエネルギーとはいえませんね。  日本でも全国一トリチウム放出量が多い佐賀県の玄海原発の稼働後に、白血病死亡率が高まりました。北海道でも泊原発のある泊村は原発稼働後数年して、がん死亡率が道内市区町村でトップになりました。加圧水型原子炉はトリチウムの排出量が多いからです。ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊さんも2003年に「トリチウムを燃料とする核融合はきわめて危険で、中止してほしい」という嘆願書を当時の小泉純一郎首相に提出しています。 […]  ――稼働させているだけで放射性物質が放出されれば原発はクリーンエネルギーとはいえませんね。  日本でも全国一トリチウム放出量が多い佐賀県の玄海原発の稼働後に、白血病死亡率が高まりました。北海道でも泊原発のある泊村は原発稼働後数年して、がん死亡率が道内市区町村でトップになりました。加圧水型原子炉はトリチウムの排出量が多いからです。ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊さんも2003年に「トリチウムを燃料とする核融合はきわめて危険で、中止してほしい」という嘆願書を当時の小泉純一郎首相に提出しています。 このままでは日本人の3分の2ががん患者  ――日本はどうでしょう。  日本政府もトリチウムが危険だとわかっているからこそ隠してきました。米国は広島・長崎の原爆投下後も残留放射線や内部被曝はないとし、その後の歴史は内部被曝を隠蔽・軽視する姿勢が続いています。がんは50年ごろから世界中で増えています。がんは生活習慣病ではなく生活環境病なのです。  日本では40歳代から死因のトップががん死となりました。このままいけば日本人の3分の2ががんに罹患するでしょう。これからの日本社会は放射線被曝だけではなく、農薬の残留基準値も世界一緩いデタラメな対応と遺伝子組み換え食品の普及による多重複合汚染の生活環境により、健康が損なわれると思います。 ■科学には表と裏、光と影がある […] 全文

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トリチウムの健康被害について via 市民のためのがん治療の会

顧問 西尾 正道 ●はじめに […] 有識者は足かけ6年にわたりトリチウムを含んだ処理水の処分策について検討してきたが、その結論として5つの処分方法を提示した。 その処分方法別の費用は34億円~3976億円と大きな幅があるが、結論としては最も安い費用で済む海洋放出(費用34億円)を行おうとしている。 この方針は東電会長ばかりではなく、原子力規制委員会の更田豊志委員長も「希釈して海洋放出が現実的な唯一の選択肢」と記者会見で述べ、寄生委員会化している。 […] 公聴会の資料では「トリチウムは自然界にも存在し、全国の原発で40年以上排出されているが健康への影響は確認されていない」と安全性を強調し、 また「トリチウムはエネルギーが低く人体影響はない」と安全神話を振りまいています。 しかし、世界各地の原発や核処理施設の周辺地域では事故を起こさなくても、稼働させるだけで周辺住民の子供たちを中心に健康被害が報告されている。 その原因の一つはトリチウムと考えられるが、本稿ではそのトリチウムの危険性を論じる。 […] ●トリチウム【tritium】(記号:T)とは […] 問題なのは、原子力発電では事故を起こさなくても稼働させるだけで、原子炉内の二重水素が中性子捕獲によりトリチウム水が生成され、膨大なトリチウムを出すことです。 トリチウムはβ崩壊して弱いエネルギーのβ線を出してヘリウム3(3He)に変わります。 β線の最大エネルギーは18.6keV、平均エネルギーは5.7keVで物理学的半減期は12.3年です。 体内での飛程0.01mm(10μm)ほどです。このため原子力政策を推進する人達はエネルギーが低いので心配ないとその深刻さを隠蔽し、海に垂れ流しています。 人間の体内では、水素と酸素は5.7eVで結合し水になっています。 トリチウムの平均エネルギーは5.7KeVであり、その1000倍以上のエネルギーです。 […]  経口摂取したトリチウム水は尿や汗として体外に排出されるので、生物学的半減期が約10日前後であるとされています。 また気体としてトリチウム水蒸気を含む空気を呼吸することによって肺に取り込まれた場合は、そのほとんどは血液中に入り細胞に移行し、体液中にもほぼ均等に分布します。 問題なのは、トリチウムは水素と同じ化学的性質を持つため体内では主要な化合物である蛋白質、糖、脂肪などの有機物にも結合し、 化学構造式の中に水素として組み込まれ、有機結合型トリチウム(OBT:Organically Bound Tritium)となり、トリチウム水とは異なった挙動をとります。 この場合は一般に排泄が遅く、結合したものによってトリチウム水よりも20~50倍も長いとする報告もあります。 有機結合型トリチウム(OBT)の体内蓄積のパターンの一つは原⼦⼒施設から出るトリチウム⽔の⽔蒸気によって汚染された⼟地で育った野菜や穀物ばかりでなく生物濃縮した⿂介類などの⾷物を摂取することであり、 もう一つはトリチウム⽔の飲食や吸入などによって、⼈体が必要とする有機分⼦の中にトリチウムを新陳代謝して摂り込みます。 なお放射線の生物学的効果を表すRBE(Relative Biological Effectiveness,生物学的効果比)は、γ線は1であるが、トリチウムのβ線は1ではなく、1~2の間という報告が多く、より影響が強いと考えられます。 ●トリチウムの人体影響 […]  放射線の影響は基本的には被曝した部位に現れます。 エネルギーが低くても水素として細胞内の核に取り込まれ、そこで放射線を出して全エネルギーを放出するわけですから影響が無いことはないのです。 有機結合型トリチウムは結合する相手により体内の残留期間も異なります。 図1に人体影響のポイントをまとめて示しますが、トリチウムは他の放射性核種と違って、放射線を出すだけではなく化学構造式も変えてしまうのです […] 内部被曝による人体影響はマンハッタン計画以来、軍事機密とされ隠蔽され続けており、トリチウムもそのひとつなのです。 トリチウムがほとんど無害とされ、極端な過⼩評価をされてきたのは、ICRP(国際放射線防護委員会)の線量係数の設定によります。 … Continue reading

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除染作業員は“放射線業務従事者”~被ばく量の管理がなされていないずさんな体制 via Health Press

東京電力福島第一原発では現在、毎日約6000人の作業員が被ばくのリスクを負いながら働いている。政府・東電の工程表では、廃炉完了まで事故から最長40年という見込みだ。 しかし、1~3号機の原子炉内で溶けた燃料はまだその所在すら正確に把握できていない。そのため、「廃炉完了までには100年単位の時間が必要」と指摘する専門家もいるという。 毎日新聞は今月、廃炉作業に携わる協力企業に行ったアンケート調査の結果を報じた。それによると、回答があった半数に当たる21社が「作業員不足を懸念している」という。 被ばくのリスクのため若手が集まりにくく、作業員の高齢化が進み、さらに廃炉が遅れる恐れもある。作業員の継続的な確保が、課題のひとつとなっている。 福島第一原発事故による「鼻血問題」を提起した『美味しんぼ』原作者・雁屋哲氏が昨年12月に一橋大学で行った講演では、放射能に汚染された地域の除染作業について話題が及んだ。 (略) 同講演の進行役を務めた、映像作家の鎌仲ひとみさんも、次のように証言した。 「取材中、除染作業に携わる人にたくさんお会いし、その方々が宿泊している宿に私も泊まりました。その宿の掃除担当のおばさんは『枕が血で汚れて いた』『ゴミ箱には痛み止めや頭痛薬、目薬などの市販薬の空箱がたくさん捨ててあった』など、作業員の健康被害を教えてくれました」 全国から作業員として集まってきた人たちは、除染作業を一定期間行ったあと、地元へ帰っていく。 (略) 除染作業員に国がなすべきこと こうした状況について、講演で登壇した北海道がんセンター・名誉院長の西尾正道医師は、次のようにコメントした。 「作業員は“放射線業務従事者”。本来は、国が定めるモニタリングとレクチャーを受ける必要があります。ガラスバッジを持って積算値を測った上で、年1回、健康診断受け、放射線についてのレクチャーを受けることが義務づけられなければならない」 放射線を扱う管理区域に入る予定のある労働者や放射線診療従事者(医師や看護師)は、健康診断(被ばくの有無や白血球や赤血球の数の検査など)と6時間の講習(人体への影響、安全取り扱いなど)が決められている。 除染作業員を含む原発関係の労働者の場合、その年間線量限度は、一般人が1ミリシーベルトであるのに対し、職業被ばくは5年間で100ミリシーベ ルト(年間の限度は50ミリシーベルト)となっている。ところが、福島第一原発の事故後、政府は作業員の被ばく限度を250ミリシーベルトに引き上げた。 全文は除染作業員は“放射線業務従事者”~被ばく量の管理がなされていないずさんな体制

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本当に被ばくが原因? あらためて考える『美味しんぼ』雁屋哲氏の“鼻血問題” via Health Press

(抜粋) この“鼻血問題”とは何だったのか? 2015年12月23日、一橋大学での講演「福島への思い★美味しんぼ『鼻血問題』に答える」では、雁屋氏の対談相手として北海道がんセンター名誉院長の西尾正道医師が登壇。二人は実体験を交えながら、医学的な考察を語っている。 鼻血は本当に出たのか? 取材のため福島に2年通ったという雁屋氏は、次のように語っている。 「福島での取材時、食事中に止めどなく出てきて、ティッシュの箱半分の紙を使いました。福島に行ってからというもの、疲労感もすさまじく2時間仕 事をすると、それ以上続けられないといった状態。体調が落ち着いたのは福島を離れてずいぶん後になってからです。こんなことは初めてでした」 雁屋氏の証言に対し、西尾医師はこうコメントした。 「3.11の後、北海道がんセンターで1000人ほど内部被ばくを診ました。子どもを連れてきたお母さんが言うんです。『子どもが喉を痛がるし、鼻血が出る』とね。現実に事故直後、それまで鼻血を出したことのない多くの子どもが、鼻血を出しました」 「たとえば、福島県伊達市の保原小学校の『保健だより』には『鼻血を出す子が多かった』と通知されています。 空気中に飛散した粉塵からセシウム 鼻血と被ばくの因果関係については、西尾医師はこう説明する。 「事故当時、空気中には粉塵がたくさんあった(空気中の粉塵が多ければ、それだけで鼻血ができるという論文もある)。つくば気象研究所の人の測定 データでは、3月15と21日にピークがあり、採取した0.5~2.5ミクロンの大きさの塵を放射線のイメージングプレートで見ると黒点がたくさん現れ た。これは放射線そのもの。スペクトルメーターで測るとセシウムを出す微粒子でした」 「放射性浮遊物を呼吸で取り込むと、鼻腔、咽頭、器官、口腔粘膜を含めて広範囲に被ばくし、汚いものは繊毛運動で外に押し出そうとする。鼻の入り 口近くのキーゼルバッハは最も静脈が密集していて、ここに放射性物質がたまり、影響を受けやすい子が出血しても不思議ではない」 政府が言うようにストレスが原因 「ストレスによって円形脱毛症、胃潰瘍、うつなどにはなりますが、政府が言うようにストレスが原因で鼻血が出ることはありません。『500msvの放射線量を浴びないと鼻血は出ない』と主張しますが、その場合、白血球、血小板、赤血球が減り、何より下痢をします」 「ところがあの当時、そんなたくさん放射能を浴びていません。鼻血は全身症状として出ているわけではないんです」 (略) 西尾医師は、「事故後の急性期の影響がおさまって鼻血を出す人が少なくなったことから、鼻腔を診察したこともないと思われる専門家と称する学者たちが、政府や行政を巻き込み鼻血と放射線の影響を全否定しているにすぎません」と強調した。 全文は 本当に被ばくが原因? あらためて考える『美味しんぼ』雁屋哲氏の“鼻血問題”

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どんなにバッシングされても真実を残したい~「鼻血問題」で雁屋哲さん via レイバーネット

 12月23日、国立市にある一橋大学キャンパスで、「福島への思い~美味しんぼ『鼻血問題』に答える」というシンポジウムが行われた。登壇したのは、漫画『美味しんぼ』の原作者・雁屋哲さん、いわき放射能市民測定室「たらちね」顧問の医師・西尾正道さん。そして 1998年から被ばくをテーマに映画を撮り続けてきた映画監督の鎌仲ひとみさん。  福島第一原発事故の問題を考えるとき、被ばくによる健康被害は避けては通れない。しかし事故から5年たとうとする今、福島県内からネガティブな声はほとんど聞こえてこない。「なぜこの問題が封殺され、議論できなくなっているのかを問いたい」。この日のシンポジウムは、そうした一橋大の学生有志の思いによって実現した。  「2年かけて福島で取材したことを漫画にした。どんなにバッシングされても真実を残したい」。数万件の抗議や苦情を受けてきたという雁屋哲さんは、漫画原作者というよりジャーナリストそのものだった。「批判の中身は、ただ『風評だ』というだけで議論にならない。言い捨てて逃げていく人たちを相手にするよりも、自分は福島の人の立場で語りたい」。フレコンバックが山積みになった最近の写真をスクリーンに写し「これで復興といえるのか?」と憤る。  「フレコンバックは所詮ビニール袋だ。放射能への耐性なんて無い」「雑草が袋を突き破ってるでしょう。海岸線沿いにこんなに積まれて、高波が来たらさらわれるだけだ」。そして、外にいるわれわれが「福島の人たちは土地に愛着がある」といって、彼らをこのように劣悪な土地に縛りつけていいのか。『食べて応援』というが、農作業している人たちの中には放射能を浴び続けることのに恐怖を感じている人もいるのだ。雁屋さんはそう訴えた。  医師の西尾正道さんは、長年放射線治療に携わることによって、自らも医療被曝していると明かす。「放射線は医療においては光だと言われるが、内部被ばくさせて治療しているのだから必要悪。できればエコーや内視鏡手術のほうがいい。ましてや、原発による内部被曝は住民に何の利益ももたらさない」。日本の放射線医学にとってICRPは教科書。内部被ばくの視点がないICRPに依拠し、政治家たちは「住民の被ばくと鼻血に因果関係はない」と言い切っているが、医者の中でも「おかしい」と思う人は出てきているそうだ。「たらちね」には、今も多くの検体がよせられている。甲状腺などのガンは一割にすぎず、慢性疾患が多い。また心筋梗塞も増えているという。鼻血が出たという多くの子どもたちにも出会った。「被ばくではなくストレスのせいだと政府は片付けようとしているが、医学的にはストレスで鼻血 が出るということはない」と西尾さんはいう。 […] 「自民党の国会議員が野党だったときは、『毎日鼻血が出る』という井戸川町長の発言を重く受け止めていた。それなのに与党になると『鼻血を問題にすることが福島の人たちを傷つける』と正反対のことを言い出した。政治家にとって鼻血は道具にすぎないのだ」と。ちょうど会場に来ていた井戸川克隆さん(前双葉町長/写真)が発言。「町長時代、町民向けの説明会をひらいた。マスコミが取材に来たが、被ばく問題については一切カットされた。そんな中、雁屋さんは私が語ったことを素直に書いてくれた。漫画には報道管制がなかったらしく、その後石原環境大臣がさわいでくれたおかげで『美味しんぼ』が話題になり、問題をオープンにできたのはとてもよかったと思う」  鎌仲さんは、除染作業員ののことも案じた。作業員たちが泊まる民宿の従業員に聞くと、枕が鼻血で汚れていたり大量の薬が部屋のごみ箱に捨てられているという。  会場から「ボランティアで除染作業をしているが、やらないほうがいいのか」と質問する男性がいた。雁屋さんは「除染作業員はマスクもしないで、 高い線量の汚染物を体に抱えて運んでいる。善意でやっているのはわかるが、必ず健康障害は出ると思う。やめたほうがいい」。鎌仲さんは「そこに住むしかない人たちの住居の線量を、すこしでも下げるためなら必要かもしれない。でも誰も住んでいないところに、新たに人を住まわせるための除染は すべきではない」と答えていた。「福島のためにと思ってやっていることが、福島の人に受け入れられないのはつらい。思い込みでなく、事実を伝えなければ」と雁屋さん。これは、会場に集まった人たちの共通の思いに違いない。 「。。。」 もっと読む。

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連載第1回 これから起きる“内部被ばく”の真実を覆う、放射能の「安心神話」 放射能の光と影、政府のデタラメな対応で健康被害の問題は置き去りに via Health Press

(抜粋) 「安全神話」「安心神話」へのすり替え 私は、地方のがんセンターの臨床医として、40年間、放射線を用いたがん治療に従事してきましたが、その業務は放射線の有効利用を追求してきたものです。 (略) 21世紀に入ってからの放射線治療の照射技術の進歩は著しく、放射線の医学利用という「表」の世界は加速度的に進化しています。しかし一方で、放射 線による健康被害という「影」の世界は、広島・長崎の原爆投下によるデータを基にした「疑似科学」によって支配され、研究の進歩が止まっています。放射性 核生成物による不都合な健康被害に関しては研究もせず、また研究もさせない姿勢で推移しているのです。 福島原発事故後の対応もこうしたレールに乗って進められています。破綻した原発の「安全神話」は、100ミリシーベルト以下の被ばくならば過剰発がんは 心配ないとする「安心神話」にすり替えられ、汚染地域への帰還を促しています。また、原発再稼働の審査においても「安全基準」から「規制基準」へと言葉を 変えて再稼働を進めようとしています。 さらに、原発輸出にも積極的で、日本でも処理の目途が立っていないにもかかわらず、売り込んだ原発の放射線廃棄物は日本が全部引き受けるとか、原 発稼働の費用も税金から融資し、原発事故が起きたら日本の税金で補償するという密約を交わして、世界中に放射線物質を撒き散らそうとしています。 「法治国家」ならぬ「放痴国家」の現状 しかし、一般国民も深刻な原発事故による日本の危機に無頓着で、マスコミ報道の鎮静化とともに関心は風化してきました。そして日本という国は、放 射線量が年間20ミリシーベルトの地域にまで国民を住まわせるために、退避していた人々を帰還させようとする、「法治国家」ならぬ「放痴国家」となってい ます。 原発稼働にともなう緊急時の被ばく医療対策は、東海村JCO臨界事故の教訓を踏まえて、2000年6月に「原子力災害対策特別措置法」が施行され、事故時の初期対応の迅速化、国と都道府県および市町村の連携確保等、防災対策の強化・充実が図られてきたはずでした。 しかし、現実の対応は犯罪的ともいえるほど杜撰でデタラメなもので、さらに情報の隠蔽も行われました。そして健康被害の問題は置き去りにされ、地域経済の復興だけが目指され、帰還が促されているのです。 全文は連載第1回 これから起きる“内部被ばく”の真実を覆う、放射能の「安心神話」

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高知県・高知県教委――廃炉をめざしたら、後援拒否 via BLOGOS

週刊金曜日編集部2014年10月06日 10:36 高知市内の市民団体「グリーン市民ネットワーク高知」が主催する「被曝のリスクを考える講演会シリーズ」の後援を、高知県と高知県教育委員会が拒否した。 […] 放射能の研究者、崎山比早子氏や北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏ら、被曝問題に詳しい医師や医学博士4人が登壇の予定だ。「グリーン市民ネットワーク高知」は今回、高知市と高知市教育委員にも後援を依頼したが、市と市教委はこれを受け入れた。県と県教委が後援を拒否した理由は、主催する団体の規約にある「原発廃炉をめざす」という文言が政治的だからだという。 高知県知事の尾崎正直氏は「再稼働がやむを得ないこともありうる」という立場を表明している。その意をくむ知事部局危機管理防災課の担当者は、「原発についてはいろんな意見があり、特定の方向に沿うものは後援できない」と回答してきた。 県の衛生研究所は、マーシャル諸島での米国水爆実験以降、とくに高知県に放射性物質の降下が多かったので、土壌や食品の放射線測定を長年、続けてきた。 […] 高知県知事の尾崎正直氏は「再稼働がやむを得ないこともありうる」という立場を表明している。その意をくむ知事部局危機管理防災課の担当者は、「原発についてはいろんな意見があり、特定の方向に沿うものは後援できない」と回答してきた。 県の衛生研究所は、マーシャル諸島での米国水爆実験以降、とくに高知県に放射性物質の降下が多かったので、土壌や食品の放射線測定を長年、続けてきた。被曝のリスクを知り語り合う企画は、「県の保健行政に寄与」し「公益性」も高いはずなのだが。 一方、県教委の担当者は、後援拒否の理由として「中立の立場」を強調する。だが、同県教委は昨年2月に行なわれた「人類は様々な放射線と今後も付き合っていく必要がある」とする高知工科大学主催の「環境・放射線セミナー」については、文部科学省や原子力発電環境整備機構(NUMO)と並んで後援した経緯がある。 もっと読む。

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3万人診た専門家が断言「子どもの鼻血は放射線に由来する」via 日刊ゲンダイ

北海道がんセンター名誉院長が一刀両断 政府と一部メディアが大騒ぎした漫画「美味しんぼ」の鼻血描写に対する大バッシング。政府は「風評被害」と決め付け、鼻血と原発事故の因果関係の否定に躍起だが、この見方に真っ向から反論しているのが、国立病院機構北海道がんセンター(札幌市)の西尾正道名誉院長(66)だ。 西尾氏は74年に札幌医科大を卒業後、国立札幌病院(現北海道がんセンター)の放射線科に勤務。08年に院長に就任し、昨年3月に定年退職するまでの40年間、放射線治療医として約3万人のがん患者を診た。いわば、放射線とがんの関係を知り尽くした国内第一人者だ。 (略) ■指弾されるべきは御用学者 さらに「ICRP(国際放射線防護委員会)の基準では鼻血は出ない」との意見に対しても、「そもそもICRPは原子力政策を推進するための物語を作成しているNPO団体。ICRPはシーベルト単位の被曝(ひばく)でなければ鼻血は出ないというが、その場合は(急性被曝にみられる)深刻な状況で、鼻血どころではなく、歯茎からも出血し、紫斑も出る」と説明。長崎・広島でみられた外部被曝による急性被曝の重い症状と、いまだに不明な部分が多い低線量被曝の症状をごちゃ混ぜに論じる無意味さを強調した。 その上で、被曝が及ぼす鼻血の可能性について、「事故で放出されたセシウムが、ちりなどに付着して人体に吸い込まれた際、鼻などの粘膜に付いて局所的に放射線を出すことになる。準内部被曝的な被曝となる」と、独自の見方を示した。「美味しんぼ」バッシングの旗振り役となった菅官房長官や石原環境相といったシロウトではなく、まっとうな専門家の意見だけに真実味がある。鼻血を訴える声を無視し、「風評被害」で片付けようとする今の国や自治体の方がよっぽど無責任だ。 そもそも「美味しんぼ」で描かれているのは「鼻血」の問題だけではない。未曽有の大事故を起こしながら責任を取らない国や東電の無責任さも鋭く追及しているのだ。批判されるべきは、漫画の描写ではなく、国や、原発の安全神話を振りまいてきた御用学者たちだろう。「今の日本は法治国家ではない。科学も金儲けになっている」。西尾氏の指摘に国や自治体は真摯に耳を傾けるべきだ。 全文は3万人診た専門家が断言「子どもの鼻血は放射線に由来する」

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【講演】甲状腺疾患と内部被曝 via 福島集団疎開裁判

「ふくしま集団疎開裁判」の会 郡山連続講演会 私たちの住む街の放射線量は安心だといわれても、自分の健康、子どもたち、孫たちのことを考えれば、不安がつのります。わたしたち自身の健康や子どもたちの命を守るためには、わたしたちが真実を求め、みずからの立場を決めなければなりません。 このような思いから、真に必要な知識の学びの場として、連続講演会を企画しました。子どもや孫をお持ちの皆さまをはじめ、多くの市民の皆さまのご来場をお願いします。 第1回 甲状腺疾患と内部被曝 日 時  2013年5月12日(日)午後1時30分~ 場 所  郡山市富久山総合学習センター(サンライフ)                2階集会室 TEL 024-925-1549 参加費  無料    講 師  西尾 正道 氏(北海道がんセンター名誉院長) 3月の福島県健康管理調査の甲状線検査結果は34、114人のうち3人の甲状腺がん患者ときわめて疑わしい7人が出ました。今までの医学データでは症状があり受信した100万人に一人の甲状腺がんでしたから、福島の子ども達の甲状線が心配です。そこで西尾先生をお呼びし、甲状線のお話を伺います。ぜひ、皆さんご参加ください! 【講師略歴】 にしお まさみち 1947年北海道函館市生まれ。札幌医科大学卒業後、国立札幌病院で、がんの放射線治療一筋に30年。現在、同病院放射線科医長、札幌医科大学臨床教授、京都大学医学部非常勤講師、北海道大学歯学部非常勤講師。日本医学放射線学会専門医、日本放射線腫瘍学会認定医。03年12月から「市民のためのがん治療の会」の協力医代表として活躍。著書に『がん医療と放射線治療』『がんの放射線治療』など多数。 ◇第2回 チェルノブイリ被害の全貌~福島への教訓 (講師は岩波書店『チェルノブイリ被害の全貌』編著者のアレクセイ・ヤブロコフ博士)や他のイベント、情報についてはこちら。

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