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“自立”へ想像力巡らせ 原発計画拒んだ町の記録映画、監督の思いは via カナロコ

30年以上前、原発立地計画を住民の反対運動によって断念に追い込んだ町があった。紀伊水道を挟んだ徳島県阿南市と和歌山県日高町。「ノー」の声を上げた 人々を追ったドキュメンタリー映画「シロウオ 原発立地を断念させた町」が静かな反響を呼んでいる。横浜市鶴見区在住で監督のフリーライターかさこ(本 名・笠原崇寛)さん(38)の出発点は「3・11の前に人々はなぜ原発の危険性に気付き、立ち上がれたのか」だった。 原発は便利だし、地方も潤う。つまり必要悪である、と。そう思うことで目を背けてきたのです。あの事故が起きるまでは-。自身のことを、かさこさんは率直に振り返った。 (略) 阿南市では1976年に四国電力が蒲生田原発の計画を発表。日高町では67年に町議会が誘致を決議したことで、関西電力の日高原発の計画が浮上した。 反対運動に携わった人にカメラを向け、声を拾っていった。 阿南市の民宿経営の女性は当時の戸惑いを語った。 〈原発が来たら道が広がるとか、いろいろ言ってくれたけどね。道が広がっても人間が住めなんだらしょうがないけんね〉 日高町の元漁師の男性も同じだった。 〈お金じゃない。とにかくこの海と、健康に暮らせる、昔からの自然そのままの村、町が欲しかった〉 映画では、いずれの土地でも漁師を中心とした1次産業で働く人たちが立ち上がり、反原発運動が湧き起こった経緯を伝えている。 かさこさんは言う。「考えるべき点は人々の多くが原発反対の理由に自立を選んだことだ」 例えば阿南市の漁師の男性は言った。 〈駄目なもんは駄目という覚悟でした。考え方の中に政治的な思想もない。純粋に自分らが漁業を永続的に営めるかどうかが最大の争点ですから。それ以外、何もないです〉 日高町の元漁師の男性も語っている。 〈(原発立地で)お金をもらったって一時のもんでしょう。どれだけのお金をもらってもね。やっぱし毎日毎日こつこつ、こつこつ働いて、稼いだお金がよっぽどありがたいと思ったですね〉 (略) タイトルの「シロウオ」は蒲生田原発の立地予定地だった阿南市内の川に生息する小魚の名から取った。 上流に小石を投げ入れ、餌と勘違いしたシロウオが上流に向かっていくのを一網打尽にすくい上げる。そんな伝統漁が行われていた。 投げ込まれる小石を原発マネーに例えれば、こうなる。餌と思いこんで群がるのと、おびえて逃げ出すのとどちらが正しかったのか。捕まらなかったのが反対の声を上げた人々ではなかったか-。 かさこさんは言う。 「豊かな漁場であったため漁業が生計が成り立っていた面もあるが、人々が求めた幸せが必ずしも経済的な豊かさばかりではなかったことが大きかったのではないか」 ほかにも気付かされたこともある。 映画の中で、かつてバス運転手だった元阿南市議は「行政を反対にさせないと(原発立地は)止められないと思った」と出馬の経緯を振り返り、日高町役場職 員から町長となった男性は「推進派と反対派が分かれて、互いの結婚式に親でも兄弟でも出なくなるようになった。こんなことじゃいかんと思い切って町長選に 出た」と語った。 かさこさんは「国や大企業といった大きな権力と対峙(たいじ)するには、ただ声を上げているだけじゃ届かない。まず自治体を動かすために、政治に参画し ていったことが有効だった」とみる。政治参加への敷居は高いという現実はあるが、「問われているのは一人一人が難しい問題に対し、思考停止をやめることで はないでしょうか」。 蒲生田原発は79年、日高原発は90年に計画が白紙に戻された。この間、双方で漁師を中心に連帯が生まれ、互いの運動を手伝ったエピソードも映画は伝える。 (略) かさこ(本名・笠原崇寛=かさはら・たかひろ) フリーライター、カメラマン。大手消費者金融を経て編集プロダクションなどを経験。2012年にライターとして独立。著書に「検証・新ボランティア元年-被災地のリアルとボランティアの功罪」(共栄書房)など。 ◆映画「シロウオ 原発立地を断念させた町」 1960~70年代にかけ原発の立地計画があった徳島県阿南市と和歌山県日高町を舞台に、計画が白紙化されるまで反対運動に携わった住民や自治体関係者 にインタビューした長編ドキュメンタリー。2013年11月末に完成。要望などに応じ全国で上映会を続けている。県内では1月25日に横浜市鶴見公会堂で 初めて上映され、県内外から約250人が来場した。 全文は“自立”へ想像力巡らせ 原発計画拒んだ町の記録映画、監督の思いは 当サイト既出関連記事:原発計画を住民の反対運動によって阻止した町を描いたドキュメンタリー映画 「シロウオ~原発立地を断念させた町~」2014年1月より公開 … Continue reading

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原発計画を住民の反対運動によって阻止した町を描いたドキュメンタリー映画 「シロウオ~原発立地を断念させた町~」2014年1月より公開 via Sankei Biz

今から30年以上も前 原発計画があったにもかかわらず、住民の反対運動によって原発計画を阻止した町(徳島県阿南市、和歌山県日高町)を取り上げたドキュメンタリー映画「シロウオ~原発立地を断念させた町~」を、2014年1月より公開いたします。 原発再稼働の問題が大きな争点となっている中 今後の日本社会のあり方を考えるきっかけとなる映像作品です。 チェ ルノブイリ原発事故や福島原発事故が起きる以前に、なぜ住民らは原発の危険性に気づき、原発マネーの誘惑を拒み、計画を中止に追いやることができたのか。 反対運動にかかわった当時の住民十数名の証言を中心に約104分の映像にまとめました。日高原発の反対運動にも加わった京都大学原子炉実験所助教の小出 裕章氏も出演。また本作品は、ブロガー かさこの映画監督デビュー作品となっています。 ・映画ご案内 http://www.kasako.com/sirouo.files/20140125.pdf ・映画紹介動画 http://www.youtube.com/watch?v=A6MZ7JLlfOI ■監督 かさこのコメント 2011年3月。日本社会の安全な暮らしを根底から覆した東京電力・福島原子力発電所事故が起きました。しかし福島原発 事故が起きるはるか以前に、原発の危険性を感じて原発計画を追い出した町が全国に34カ所もあることを知り、衝撃を受けました。原子力が輝かしい未来のエ ネルギーとして宣伝されていた時代に、しかも原発の大事故が起きる前にもかかわらず、原発マネーを断ってまで、なぜ原発を拒否することができたのかと。 34カ所のうち、5カ所も計画がありながら、1つも原発を作らせなかったのが和歌山県です。その中で日高町の原発計画反対運動に際し、紀伊水道をはさん で、徳島県の「蒲生田原発」計画に反対した人たちと連携したという話を聞き、本作品では和歌山県の「日高原発」と徳島県の「蒲生田原発」の反対運動に焦点 をあてることにしました。 原発を拒否した町の人たちは、数十年も前になぜ原発事故を想定内のリスクと考えることができたのか。なぜ金銭的な誘惑を断固として拒否できたのか。原発反対運動に関わった人々にインタビューを行い、映像にまとめました。 (略) ■上映予定 ・2014年1月18日 小金井市民交流センター(東京都武蔵小金井市):昼夜2回 ※前売券ですでに満席となりました。 ・2014年1月25日 鶴見公会堂(横浜市鶴見区):17時40分開場、18時10分上映開始 上映終了後、監督 かさこおよび福島第一原発の設計に関わった元東芝技術者の小倉 志郎氏による講演あり。21時終了予定。 前売券: http://atnd.org/event/E0021290 (略) ■映画概要 映画タイトル : シロウオ~原発立地を断念させた町~ 製作・配給  : 映画「シロウオ」製作委員会 監督     : かさこ … Continue reading

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