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統計軽視の医学界 福島発がんリスクを見誤るな 疫学専門家に聞く 編集委員 滝順一 via 日本経済新聞

岡山大学の津田敏秀教授は、多数の人間を観察対象にして病気の原因などを調べる疫学の立場から、低線量放射線被曝(ひばく)の問題を提起する。年間 被曝量が100ミリシーベルト以下であっても、放射線の影響ははっきりと表れると主張。福島県の検診で見つかり始めた小児甲状腺がんの増加に警鐘を鳴らし ている。

■チェルノブイリ事故直後でも10代の子どもに発症がみられた

――低線量の放射線被曝のリスクに関し、「しきい値なし直線(LNT)モデル」で防護を考えるのが一般的だ。つまり放射線量がどんなにわずかであっても発がんリスクはある。ただ小さいので喫煙や生活習慣など他のリスク要因と比べて見分けがつかないとされる。

「それは誤った言い方だ。放射線の影響をすべてのがん、すべての年齢層の人間でみるからで、放射線の影響が出やすい若年層に対象を絞ったり、がんの種類別 にみたりすれば、100ミリシーベルト以下でも影響が出るとした科学論文は海外にいくつもある。小児の甲状腺がんのように、放射線以外の理由でかかること が極めてまれな病気では影響はよりはっきりしている」

「例えばエックス線CT(コンピューター断層撮影装置)で5ミリ~50ミリシーベル トのエックス線を浴びた人は、浴びていない人に比べて発がんリスクが高いことがわかっている。国際がん研究機関(IARC、世界保健機関の関連組織)が約 100万人を対象にする大規模調査をしている。低線量の影響は見分けられないというのは誤った知識だ」

(略)

福島原発事故に起因する放射線影響は、当初心配されたほど深刻ではないとの指摘が多い。疫学はこうした楽観論が見落としがちな側面を浮かび上がら せる。福島県などは、同県以外における子どもの甲状腺検査との比較やがんの大きさなどを根拠に、これまでに見つかった甲状腺がんを事故の放射線の影響だと はみていない。これに対しても疫学からは反論がある。ここは医学者間でしっかり議論をしてもらいたい。

また、疫学だけでは特定の個人の発症原因が事故による放射線なのかどうかを明らかにはできない。津田さんによれば、発症と病因を一対一対応で証明することは原理的にできないことになる。この指摘は福島事故のこれからを考えるうえで非常に重要に思える。

全文は 統計軽視の医学界 福島発がんリスクを見誤るな 疫学専門家に聞く 編集委員 滝順一

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