かすむ復興 コミュニティー/仮設 深まる孤立(下)世代分断の危機直面 via 河北新報

(抜粋)

<帰還に二の足>
高齢化は地方に共通の課題だが、福島では原発事故による放射能汚染がさらに暗い影を落とす。健康被害への懸念から、帰還に二の足を踏む子育て世代が少なくないからだ。
同県広野町は2012年、小学校と中学校各1校の授業を本校舎で再開させた。ことし5月1日現在の児童生徒数は計141人。原発事故前の27.2%にとどまる。
町教委は避難先となるいわき市と学校を結ぶスクールバスを運行しているが、子どもたちの歓声は戻らない。担当者は「避難元に送り出すことに親の抵抗感が薄れていない」と推測する。
県外に自主避難した被災者も少なくなく、子どもが環境になじんでくれば帰還の判断は難しさを増す。子育て中の家族にとって、仮住まいが新たな生活の場になる可能性は高い。

<ため息交じり>
13年10月現在の福島県の高齢化率は27.4%。震災前となる10年10月より2.4ポイント上がった。震災で深刻な打撃を受けた岩手、宮城と比べても高い水準を示す。
避難の長期化に伴い、仮設住民の高齢化も容赦なく進む。厳しい暮らしを支えてきた住民の互助機能は、いずれ機能不全を起こしかねない。
ことし5月12日夜、いわき市にある高校で1人の女性(88)が保護された。2キロほど離れた仮設住宅から徘徊(はいかい)してきたところを生徒が見つけた。
女性は1人暮らし。認知症が疑われた。同じ仮設に入居している娘夫婦は、最近不在がちだった。双葉郡内にある自宅に生活の拠点を移したとみられる。
「生活再建の途上では、親の面倒を子に押しつけることはできない。仮設で見守っていくしかない」。71歳の自治会長がため息交じりに語った。

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