福島第一原発 熟練作業員が消え原発渡り歩くフリー作業員に via Newsポストセブン

(抜粋)

必死の作業が続く現場では今、作業員の確保、安全への意識の低下など、深刻な問題が起きていた。今回は特別編として、福島第一原発内部の取材をしたジャーナリスト・藤吉雅春氏が、その知られざる実情をリポートする。

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確かに想像以上に厄介な仕事である。昼食をとるたびに重装備の防護服、手袋、靴下を脱ぎ、被曝線量を計測する長い列に並ばなければならない。また、昼食といっても、敷地内では温かい食事をとることはできないため、東電は敷地外に給食センターを建設する予定だ。しかし、食事を変えたところで人が増えるとは思えない。

(略)

「震災前に福島第一原発に働きに来ていた熟練の作業員たちの姿がほとんど消えました。彼らは全国の原発を渡り歩く“原発ジプシー”など、日雇いで日給をもらうフリーの作業員です。しかし、新しい規則で会社の正社員にならなければならなくなると、社会保険などが天引きされるので、これまでの日給より手取りの賃金が安くなる。

そこで彼らは原発の仕事を捨てて、政府が行っている帰宅困難地区の除染作業に仕事を変えたのです。これは危険手当が1日1万5000円出る。賃金と合わせると1日約2万円になるので、原発より地域の除染のほうが割がいいのです」

かつて全作業員の5分の1は、こうしたフリーの技術者集団だった。彼らが消え、未経験者ばかりが増えていく。

「今後、廃炉に向けて技術を必要とする仕事が増えていく。だから、熟練の作業員がいなくなるのは、非常に頭が痛いんです」(前出・ベテラン技術者)

誰もやりたがらない危険な原発作業は、今まで非正規雇用で成り立っていた。しかし、3つの原子炉が同時にメルトダウンするという世界初の惨事を経験したのに、これまで頼りにしてきた熟練たちが減っている。このことは、廃炉までのロードマップを根底から揺るがす問題だ。

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