原発と遺伝子組み換え作物は非民主的だ via 東洋経済オンライン

『世界が食べられなくなる日』 ジャン=ポール監督に聞く

(抜粋)

――この実験結果が正しいとすれば、遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆をいちばん食べているのはウシやブタなどの家畜です。こういった生物には影響がないのでしょうか。

今のところ、遺伝子組み換え作物を食べた家畜がどうなっているかを調べた実験は存在しません。しかし、この映画を見た農家は、干ばつが起きた2003年に遺伝子組み換え作物を多く与えたところ、流産する雌牛が増えたと証言しています。

――この映画では遺伝子組み換え作物と原子力発電が取り上げられています。監督の目に日本の原発事故はどのように映ったのでしょうか。

私が見たのは悲劇です。そして犯罪が続いている現状です。地球上どこでも年間の許容被爆線量は1マイクロシーベルト以下です。それが福島では20倍 の20マイクロシーベルトに設定されている。これを私は犯罪と呼びます。私は知らなかったが、福島は日本でとても美しくて、豊かな地域です。そういった地 域の終焉を見ました。この映画には福島県の小さな町の様子を映しています。心地よい春の日で、花が咲いているのに、人もクルマもなく、生活の音がない。私 は死を感じました。

(略)

この映画で訴えたいこと

――遺伝子組み換え作物の本格的な作付けについては、日本では実績がまったくありません。欧州でも商業作付けがあるのはスペインぐらいです。そうした現状の中、この映画は何を訴えたいのか、あらためて教えてください。

遺伝子組み換え作物はフランスでは生産していませんが、ドイツやスペインでは生産をしています。原子力と遺伝子組み換え作物には、民主主義的な議論を経ずに導入された技術であるという共通点があります。

私はジャーナリストではなく、映画監督です。映画を見る人々に最低限の情報を与えて、問題があることを知ってもらうことが役割です。同じドキュメン タリーでもテレビと映画では作り方が根本的に違います。テレビのドキュメンタリーでは数字を羅列して、専門家のコメントを引用しながら多くの人に情報を提 供しますが、この手法は必ずしも多くの人の関心を引きません。

(略)

今回の映画は、フランスでもまだ公開されて数カ月しかたっていない。しかし私のところには、映画を見て考え方が変わったという人が多くきている。この映画を見るまでは原子力に賛成だった人が、映画を見た後では反対派に変わったという人がいました。

全文は原発と遺伝子組み換え作物は非民主的だ

セラリーニ教授の論文はこちら、日本の食品安全委員会の見解はこちら

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