「たね蒔きジャーナル」打ち切りに至る舞台裏 リスナーの存続を求める声にカンパ1000万円! 今西憲之 『 創』11月号 via Silmaril Necktie

(抜粋)

今から20年近く前、瀬尾健氏という小出氏の同僚が記した『原発事故・・・・・・その時あなたは!』(風媒社)という本が隠れたベストセラーになっているトピックを私は取材した。瀬尾氏は出版時には亡くなられており、小出氏が詳細を教えてくれた。
その本は、原発事故が起こった時、どれくらいの被害となるのか、全国の原発の規模や風向きなどのデータを元にして書いたもの。大飯原発で事故があれば、10万人が被爆、死亡するという内容。あまりにセンセーショナルで、大手山版社では出せないものだった。
福島第一原発の事故についても想定が書かれており、おおむね今回の事故の被害と一致していることでも、内容は実証済だ。今では、希少となったこの本。事故直後に探していると、私のもとに多くの問い合わせがあった。
小出氏が喋っているなら間違いない。その内容をインターネットでチェックして、福島への取材に旅立った。
私は昨年、原発の取材拠点として、福島県いわき市に100日ほど滞在した。ホテルでは多くの原発関係者滞在していた。こちらは原発の本当の姿を「暴く」 側で、東京電力や原子力安全保安院などは「守る」側。だが、長く一緒にいると親しみもわく。時には、部屋で酒を酌み交わすこともあった。
ある原発の有力会社で働く人の部屋で飲んでいた時だ。別の仲間が入ってきた。彼はスマートホンを手にしていた。
「今日ももそろそろ、始まります」
そういってボリュームを大きくしたのが、「たね蒔きジャーナル」のオンエアだった。
「仲間の多くが、この番組を日課のように聞いている。小出氏が山ないとがっかりですよ。今西さん、マスコミつながりで知り合いがいるなら、MBSに言ってくださいよ。小出さんを毎日、出演させてと」
原発の現場でも、絶大な信頼を得ていたのである。

(中略)

2008年10月19日にMBSは「なぜ警告を続けるのか?京大原子炉実験所・異端の研究者たち」というドキュメンタリー番組をテレビ放送。小出氏をはじめ、原発の危険性を訴え続けた「原子力ムラ」の異端児にスポットをあてた番組だった。
〈その後の騒動について、民放労連の関係者が言う。「番組放送後、関西電力からは「反対派の意見ばかり取り上げるのは公正ではない」という申し人れがあ り、局側は『番組の最後で推進派の教授と討論する場面を人れている」と反論したそうですが、関電は納得しなかったのでしょう。その後、しばらくCMを流さ なかったと聞いています」〉
〈この後、毎日放送では、関西電力の社員を講師として、原発の安全性についての「勉強会」も開かれたという。
関西電力サイドは、この件について「放送された番組の内容を受けてCMの出広量を減らした事実はない。
講師派遣についても、先方の要請で行うことはあるが、こちらがねじ込んだりしたというが事実はない」と否定する。)(「週刊現代」2011年4月16日号)
これが、ひっかかっていた。
その内情について、MBSの幹部の人はこう解説した。
「関西電力からの圧力といいますが、そうではない。MBSが関西電力の立場を勝手に慮って、小出氏という反原発の旗頭のような人の声をずっと流すと困るだ ろうと判断。だが、小出氏だけを番組から外すと体面が悪い。なら、番組を打ち切ればとなったようです。その奥には、いずれ関西電力からたくさん広告がもら えればという、商魂もゼロではないですがね」
そんなことで「たね蒔きジャーナル」という素晴らしい番組が消えるとすれば、実に情けない限りだ。

全文は  「たね蒔きジャーナル」打ち切りに至る舞台裏 リスナーの存続を求める声にカンパ1000万円! 今西憲之 『 創』11月号

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