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朝日新聞凋落の戦犯をジャーナリズム大賞選考委員にした早稲田の見識 via 日刊サイゾー

まるでブラックジョーク。『プロメテウスの罠』が哭いている

早稲田大学は10月5日、第12回「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」を発表、「公共奉仕部門」の大賞に朝日新聞社の連載『プロメテウスの罠』を選 んだ。原発の問題を調査報道で深く掘り下げながらも、平易な表現で誰が読んでもわかりやすくまとめた連載で、しかも実名主義を貫いているところに好感が持 てる。

選考委員のルポライター鎌田慧氏は「『客観報道の罠』を脱し、自分でテーマを決めた、独自な視点からの取材対象への果敢なアプローチは、調査報道の奥行きを深めさせた」などと評している。

(中略)

社会部が潰そうとした「嫌われ者」

受賞者は取材チームを代表して朝日新聞社特別報道部の宮崎知己次長。筆者も朝日新聞記者時代、宮崎氏とは一緒に仕事をしたことがあり、凄腕記者な のは十分に知っているが、「変人」「頑固」などともいわれて、社内に「敵」も多い。取材チームのメンバーも朝日社内で評価が必ずしも高い人たちではない。 当初、この企画自体が朝日社内では「嫌われ者」で、社会部などは潰しにかかっていたし、目立つ紙面を与えたくないと考えた幹部もいたようだ。しかも子会社 の朝日新聞出版が書籍化を断ったため、学研から出版されている。不況の出版業界にとっては、喉から手が出るほど欲しいベストセラーであろうに。

この連載、社内政治やスクープによる評価というよりも、読者の支持によって開花したものといえる。ジャーナリズムの原点を感じる記事であり、新聞報道の凋落が指摘される中で、新聞が生き残るひとつの「解」を示したといってもいいのではないか。

ところで、この「早稲田ジャーナリズム大賞」でもうひとつ興味深いことがある。興味深いというよりも個人的に憤りを感じてしまった。それは、選考委員に元朝日新聞社長の箱島信一氏が選ばれていることだ。

(中略)

原発問題に関しても箱島氏は味噌をつけている。朝日新聞社の外郭団体である公益財団法人・日本対がん協会が昨年9月、「朝日がん大賞」に福島県立 医科大副学長の山下俊一教授を選出したことが物議を醸した。福島県の地元では、山下氏は「100ミリシーベルトまでなら大丈夫だ」と言って避難を遅れさせ た張本人とされ、こんな賞をもらっていいのかといった声が出て、朝日新聞社にも抗議の文書や電話が殺到したが、この日本対がん協会の理事長に天下っていた のが箱島氏なのである。読者目線の欠落した賞であった。

ジャーナリズムの基本は、読者の知る権利にわかりやすく応えることにあると、筆者は思う。だから、読者目線は記者活動の原点にあるべきだとも感じ る。これは、読者に迎合しろというわけでもないし、ポピュリズムのように大衆受けすることでもない。ジャーナリズムの原点を問う報道であった『プロメテウ スの罠』に対する栄誉ある賞に、ジャーナリズムを衰退させた箱島氏が選考委員に選ばれていることは、まるでブラックジョークのようだ。

全文は朝日新聞凋落の戦犯をジャーナリズム大賞選考委員にした早稲田の見識

 

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