九州経済連合会の松尾新吾会長(九州電力相談役)は24日、後任会長について「(他社で)決まらなければ、自ら放り出すようなことはしない」と、今 後も九電が引き受ける考えを示した。経営悪化で電気料金値上げまで考える九電が、大きな負担を伴う会長を続けることへの批判に対しては「無責任なことはで きない。先輩方に申し訳ない」と反論した。
朝日新聞のインタビューに答えた。九経連は九州・沖縄・山口の企業など約900社が加盟する地域最大の経済団体。一貫して九電のトップ経験者が会長をつ とめてきた。九電社長・会長を務めた松尾氏は7代目で、現在2期目。任期は来年5月末にきれる。他の7地域の経済連合会(東京の日本経団連を除く)でも電 力出身者が会長をしている。
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◇
おもなやり取りは次の通り。
――野田政権が「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」と決めた。
「日本の最大の弱点はエネルギーだ。経済発展してきたのは、原子力を根幹に据えてやってきたからだ」
「原子力は、発電量の安定、燃料のコスト、環境という3点できわめて有効だ。(電気料金値上げで)国内の生産コストが上がれば、国際競争力は大きくマイ ナスになる。民主党は『無駄を省く』といって政権をとったのに、燃料費だけで年間3兆円を流出させている。膨大な無駄だ」
――政権は世論をふまえて「脱原発」を決めた。
「エネルギー政策は多数決で決めるものではなく、過剰に民意に引っ張られるべきではない。(05年に)自民党政権は原発比率を『30~40%以上』ときめた。変更は拙速だ」
――民意と経済界の意見には溝がある。
「民意、民意というが、サイレントマジョリティー(声なき多数)を考えるべきだ。脱原発のデモに何万人も参加したかもしれないが、国民の5割や6割がそう思っているのか。必ずしもそうではないと思う」
「九電は『良質、豊富、低廉な電気』を金科玉条にしてきた。太陽光や風力などは、豊富でも良質でもない。国民に一日も早く気づいてもらいたい」
――東京電力福島第一原発の事故で、原発コストが低いとはいえないのでは。
「原子力事故の賠償は、本来は国が責任を持つべきだ。その税負担を含めて発電のコストだと考えれば、それはそうかもしれない。太陽光などが低廉ではないということを言いたい」
――九州は夏の節電の負担が大きく、赤字もふくらんだ。原発比率が高いためではないか。
「動く車に、乗っちゃいけないと政府が言うから節電が必要になった。電力会社は動く(原子力)発電所を準備している。節電要請は国が(より責任をもって)すべきだった」
――九電の経営に長く携わった中で、原発比率が高すぎたという反省は。
「ありません。今でも、7割8割にすべきだと思っています。このまま行けば、(日本は)大変なことになる」
――九電は2期連続の大幅な赤字が確実。それでも、九経連の会長は九電出身者が務めるのか。
「私はずっと、九経連は九電の指定席ではないと言い続けてきた。今も誰かいないかと、人を探している。九州の経済を真剣に考えてくれるリーダーがいれば、それが適任だと思う」
――九電は九経連会長を出さないと言えるか。
「(他社で)決まらなければ、自ら放り出すようなことはしない。無責任なことはできない。先輩方に申し訳ない」
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松尾新吾氏(まつお・しんご) 1963年東大法学部を卒業後、九州電力入社。熊本支店長、総務部長などを経て2003年に社長就任。07年に会長に就 いたが、昨年7月に発覚した「やらせメール」問題の責任をとって今年3月に辞任した。09年5月から九州経済連合会の会長を務める。
全文は 九電、九経連会長「今後も」 松尾相談役、負担を覚悟(無料登録が必要です)
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