「黒い雨」土壌調査 長大、広大などの研究グループ via 西日本新聞

間の瀬地区の民家の床下から土のサンプルを採取する研究グループ

原爆投下後に降った放射性降下物を含む「黒い雨」が、爆心地から北東約7・5キロの長崎市間の瀬地区でも降り、住民に脱毛症状が出たとする県保険医協会の聞き取り調査を受け、広島大や長崎大などでつくる研究グループが9日、現地で土壌調査を始めた。

調査は、広島で黒い雨調査に取り組んでいる広島大原爆放射線医科学研究所の星正治教授=放射線生物・物理学=が中心。土壌のプルトニウムやセシウムなどの 放射性物質の有無を調べ被ばく線量を推定する。黒い雨が降ったとされる西山と、降雨がなかったとされる古賀、戸石、矢上の各地区でも土を採取し間の瀬地区 と比較する。金沢大で分析後、年内に調査結果をまとめる予定。

この日は、西山水源地や間の瀬地区の1953年ごろに建てられた民家の床下 など6カ所を調査した。直径5センチの円筒を地中30センチまで差し込み、土を採取した。星教授は「戦後の核実験で降った放射性降下物の影響で原爆由来の 放射性物質を特定するのは難しいが、プルトニウムが見つかれば黒い雨が降った証拠になるだろう」と語った。

間の瀬地区は被爆地域に指定されていない。地区に住む鶴武さん(74)は、「爆風から約30分後に雨が降った。白いシャツが黒く染まり、2-3カ月後に髪が抜けた。被爆者と認められないのは納得できない」と話した。

=2011/07/10付 西日本新聞朝刊=

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