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『イスラエル、そしてフクシマ』 on Japan – Fissures in the Planetary

3月11日以降しばらくは、被災地のニュースと福島原発の状況の推移に気を取られてばかりで何も手につかないような状態だったし、日ごろ大切にして来た習慣(パレスチナやイラク発のアラビア語ニュースを毎日チェックすることも含めて)もかなり崩壊気味で、なんだか宙に浮いたような生活を送っていた。

しかし3月29日、宮城県南三陸町で、イスラエルの医療チームがついに診療所の設営を終え診察を開始したと知って、突然脳内でドーパミン放出が始まった感じだ。イスラエルが医療チームの派遣を準備中というニュースが出て以来、パレスチナ関係のメーリング・リストでは受け入れをめぐって賛否両論が起きていたが 、「イスラエルなんていうとんでもない国の医療チームに、日本人の診療はさせられない」という趣旨の投稿もあったりして、かなりゲンナリさせられていたのだ。

こと相手がイスラエルとなると謀略論なども横行しがちだが、まず事実関係をひろっておく。イスラエルの医療チームは、日本政府が今回の地震で受けいれた海外政府派遣の医療チームとしては最初のもので、イスラエルが日本に医療チームを送ったのも、初めてのことだ。この「初めて」づくしで思い出すのは、二〇一 〇年一月に起き、死者が三〇万人を超えたとも言われるハイチ地震だ。地震の発生から三日後には、最初にハイチ入りする外国救援部隊の一つとしてイスラエルの医療部隊の先遣隊がポート・プリンスに到着、屋外病院を設置して活動を開始して以降は、混乱した現地で「複雑な外科手術が行える唯一の」施設として機能したという 。最終的には二三六人がハイチ入りしたが、そのうち二一八人はIDF(イスラエル国防軍)の兵士や将校だった。

日本のメディアでは「医療チーム」とか「医療スタッフ」という言い方で誤魔化されているが、今回だって派遣されてきた六〇人というのはIDFの国内防衛部隊と医療部隊の兵士や軍医だ。これだけ米軍や自衛隊の「活躍ぶり」を目にさせられていると不感症になりかねないが、これがIDFによる海外派兵なのだということは、強く意識しておきたい。これまでIDFが救援部隊を海外に派遣してきた例は、分かる範囲では八五年のメキシコ地震にはじまって、アルメニア、ルーマニア、ボスニア、ルワンダ、コソヴォ、インドなど。イスラエルの占領政策への批判が表立ってはなされない国の災害や内戦に乗じ、中東の外でイスラエルのシンパを出来るだけ作ろうという思 惑は見え見えだ。であればイスラエルが今回すばやい派遣を決めたのは、日本がアメリカの「同盟国」であることに加え、イスラエルの占領政策をまったく批判しなくなったこの三〇年ほどの日本政府の姿勢も大いに関わっているのだろう。日本側の混乱のためにいくつもの国の援助・支援の申し出が宙に浮いてきたと伝えられるな かで、背景は不明だがイスラエルの救助隊の受け入れだけはやたらスムーズに見えたことも、注意しておきたい。

続きは『イスラエル、そしてフクシマ』から。

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