『「想定外」を言い訳にしない努力を』 on tettyのブログ

M9.0という「想定外」の大地震が2011年3月11日に東北関東沖で発生し、死者・行方不明者約3万人(2010年3月末現在)という未曾有の被害が生じた。地震による津波が被害を拡大し、特に福島原発では津波による浸水で燃料の冷却機能が正常に作動せず、水素ガス爆発、放射性物質の拡散など地震後の二次被害も発生し、「決死隊」による必死の冷却作業も行われている。筆者の専門は機械安全であり原子力安全ではないが、この大きな教訓から機械安全技術者が学ぶべき事を考えてみたい。

[地震津波被害と共通原因故障]

 機械安全では安全装置を多重化する場合、共通原因故障の有無に注目する。共通原因故障の典型的な例は温度上昇による電気電子回路の異常動作である。共通原因故障が生じる場合は、いくら多重化していたとしても単一故障として安全設計を行う(安全性を低く評価する)ことが制御安全規格ISO13849-1:1999に示されており、同規格の2007年版では共通原因故障の割合が制御系の安全性指標Performance Levelに明示的に取り入れられている。共通原因故障への対応では、単純な多重化でなく、異なる技術(電気と空気圧等)を用いて多重化する異種冗長性(ダイバーシティ)の利用が推奨される。

続きは『「想定外」を言い訳にしない努力を』から。

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